酒井参輝詞1

□鴉
1ページ/1ページ


這いずり回る餌に滴る津液の雨
救われていると信じ、巣食われていると信じない

笑え笑えや ケタケタ…カラカラ…
騒げ騒げや 嘆かわしい…
ほろりほろりに口元が緩む

「人の不幸は蜜の味」

暁に落ちていった人の心一滴
苦し紛れの自制の裏側に染み渡る
嘘に魅入られた喉は吐き出す全てを濁し
忌み嫌われる姿は現の欲の如し
隠した翼を広げ偽りの衣裾を剥いだ
恍惚に酔う姿は現の誠と為る

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ