一色日和・遠海准司詞

□泡沫
1ページ/1ページ

慾を覘くは無垢なる虚 妖し影ろふ白絹の袖

月影の煩悩に成り合わぬ華々は開き
絡み合ふは胡蝶の舞 刹那の海に遊び
戯れの冥闇は重なりて 此処まで御出で
乱れひらひら 下弦の月 夭夭と揺れる

常若 舐れば花弁綻び 極楽浄土へ誘う宴
常宵 開けば浮き立つ鬼灯 艶めく化粧 悦楽の笑み

丑三つ時から始まる恋は
雷魚の舞にて狂い出す
潮の香りだと心得違えば
魔性の最中
宝と蛾眉の誘惑に浮かれ
老婆の謀に堕ちて
浮世離れした愉悦快楽は

夢うつつの狭間

籬の果ては死穢の朝露 泡沫の夢は万華鏡
惑いの蒼は青き追憶 竜胆の唄が滔々と

嗚呼…

邂逅 其れは誘い理想郷
数多の月日も無の如く 儚く散り果てる
体躯 蝕みて精神の交錯は 因果応報 夢幻と戯れる
理性の無い 無性の靄 魔性の愛 泡となり 願えど潰えて限り無し

命、散り逝く其の日まで

籬の果ては死穢の朝露 泡沫の夢は万華鏡
惑いの蒼は青き追憶 竜胆の唄が滔々と
愛しき花よ もう秋霞 夢…現…ただ鱗々と…

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ