酒井参輝詞3

□鏖
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何故に今脈を打ち嗚咽を漏らす心の臓
命の産声殺めて皆の春はうらら
それでも今も脈を打ち嗚咽に喘ぐ心の臓
「生きて」
「死んで」
「生きて」
「死んで」
繰り返すだけ…
幽かに吐いた己が音 幽かに聞いた己が音
蟲の息の唄に皆の春はうらら
生きた数だけ殺めても 数限り無く殺めても
「死んで」
「死んで」
「死んで」
「生きて」
孵化の宵
理はその誠を翳せているのか
理はその聲を叫べているのか
理はその生を果たせているのか
存在の意味を紡ぐは言の葉
「−。」
産み落とされて 這い蹲って
ずぶ濡れになる 苦渋辛酸の雨
痛みに泣けよ 騒ぎ散らせよ
そこに慥かな命を示せ

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