漆黒の蝶の魔女
□chapter.02[赤い糸]
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「それで、いかがでしたか? 何か進展はありそうでしたか?」
「……一応、様々な場所を飛んではみたものの、未だよくわからぬ。それに、こんなに暑くては、どうしようもない」
正直な話、以前から我が家に伝わる宝石七十七の思いの欠片≠探してはいるものの、困っている人々というのは、簡単に見つけられるものではない、というのを身をもって痛感していた。
そして、この暑さだ。
うだるような暑さに、我は少し限界を感じていた。
「……」
「どうかした? ロキ」
じっとモニターを見つめているロキに、マオが話しかける。
ロキの表情が少し変わったらしい。
しかし、ロキは何も言わずにただ、モニターを見つめている。
気になった我も、モニターに目を向ける。
そこに映っていた風景は、ごく普通の女子高生の昼食風景だった。
女子高生は二名。
一人は茶髪のセミロングの、いでたちも今風の派手な女の子。
もう一人は対照的に、眼鏡をかけ、黒い髪を三つ編みしている地味な女の子。
この暑い最中、屋上で昼食など、よく食べれるものだと思う。
ただ、このモニターに映っている、ということは、七十七の思いの欠片≠ニ何か関係があるということなはずだ。
我はその様子を、モニター越しに窺うことにした。