漆黒の蝶の魔女
□chapter.05[Judgement Day]
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それはつい先ほどの出来事だ。
我は現世(うつつよ)≠ノ降り立った。
夜の散歩も悪くない、と思って出かけた現世=B
ふらりと舞い降りた公園で、我はその光景を見てしまった。
公園の真ん中。
ちょうど砂場があって、遊具があって、それらに囲まれた真ん中に、青年はいた。
五十代ぐらいだろうか、サラリーマン風の男性が、その傍に横たわっていた。
月明かりに照らされたその男性は、死んでいた。
目の前の青年は死体を見て、にやりと笑んでから、一瞬ふらつき、次には別の表情を浮かべていた。
真っ青な表情、震えだす身体、手に持っていた刃物は血に濡れ、月明かりに照らされ、てらてらと輝きながら震えていた。
そして、青年はこう呟いたのだ。
「――……僕は、何をしている……?」
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