短 編 集
□知らぬが花
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「万事屋始めた理由…?さぁ…何だっけなー…忘れたなぁ…。あ!いや待て待て!やっぱ覚えてるわ!
ココみてーな何かとアブネー街にはやっぱり『スィティ〜ハンタ〜!!』的な存在が必要不可欠だろ?ホラ『血と硝煙と薔薇の香りがよく似合う』って…なんかそんな感じの!『俺たちゃ街のスイーパー』ってやつね!!
…え?ナニそれって…なんだよ知らねーの?うっそだろー?伝言板に『XYZ』とかって書かれちゃう、アレだよ、アレ!!ここまで言ったらさすがにわかるよな?
ま、別に始めようと思って始めたワケじゃナイんだけどね?どっからそういうニオイを嗅ぎつけたのか、いろいろ頼ってくる奴が後を絶たなくてねぇ…。
まぁ…ココはかぶき町だし、銀さんは主人公だし?そーゆー感じになっちゃうのも仕方ないってゆーかぁ…むしろ当然ってゆーかね。…とまぁ、そんな自然な流れで…」
「……銀さん…いったいどの辺がシティハ○ターなんですかぁっ?実際やってるコトは迷子のペット探しに屋根の修理、庭の草むしりに犬の散歩…。そんなカッコいい要素、どっこにもないじゃないですかっ!」
「ぱっつぁんは黙ってなサイ!何も知らないんだから!もともとはそんなスタイリッシュな感じだったんだよ!!ってか今だってね…キミタチの知らないところで銀さん頑張ってんだよ?町の平和を守ってんだよ?
でもやっぱ主人公にゃ謎めいた部分が必要だからねっ!そこは敢えて秘密にしてるんだけどねっ!」
「銀ちゃんの生活なんて、ちっとも謎めいてないアル。生春巻の皮ぐらいスケスケネ!」
「そんなことないですゥ!謎めいたトコありますゥっ!現にホラっ、昨夜もいなかっただろ?お前がグースカ寝てる間に町の平和を守ってたわけだよ!」
「銀ちゃん、首のトコ赤くなってるアル…どーせマヨラと逢い引きネ。平和守るどころか、逆に風紀を乱してるだけアルな。このマダオが!」
「か…神楽ちゃーん?ナニ言ってんのかなぁっ??ちょっ…ぱっつぁん!違うってぇ!そんな汚物を見るよーな目つきで俺を見るなぁっ…!
あ、今のとこカットでね。さ、もう次の質問行こーぜ?
ぁあ?店の名前?ずいぶんくっだらねーコト聞くんだな。
べっつにたいした意味なんかねーよ。事業内容+事業主!実にシンプルでわかりやすいじゃねェか!いったいコレの何が…あん?『いい大人が"ちゃん”付けはオカシイ』だあ?うるせー、ほっとけ!いーんだよ!銀さん心は少年だから!!
それに、なんかこんな親しみやすい感じにしといた方がこー…依頼してみよっかなーって気になんだろ?
ホラつまりアレだ、ちゃんと客目線で考えてるワケだよ!別にテキトーにつけたとか…そーゆーワケじゃ……あ゛ーっ、なんかもうめんどくせーわ…ワリーけどココまでってコトにしてくんね?これ以上はノーコメントってコトで!あ、でもギャラは全額置いてってネ?」
「銀ちゃん…これって…依頼だったアルか?」
「ったりめーだろォ?でなきゃ誰がこんなモンに付き合うかっつの!かったりィ…。
だいたい『インタビュー』っつってもなァ…まだオープンにしちゃマズい部分もあるし…それどころか設定もされてねぇ、ぶっちゃけ作者の脳内にすら未だ存在してねぇ空白部分だって山のよーにあるしよォ…あんまりツッコまれても困るんだよねー、実際!
そりゃアさ、『キャアっ!銀さんステキぃっ!大好きっ!銀さんのコト、もっと知りた〜い!』って思っちまうキモチはわかるよ?わかるがしかし、だ!
どっちかっつーと俺じゃなくて、大元の作者に聞いてもらわねーと!コメントのしようがナイわけ!スッゴク難しいわけ!」
「銀さん…そーいうコトを僕ら登場人物が言うってのが既にマズいんじゃないですか…?って…あれ?どうしたの、神楽ちゃん」
「ちょいと待ちなァ!お前ら…依頼なら依頼と…ナンで最初にこのグラさんに言わないネっ!
なにアルかっ?銀ちゃんのなにが聞きたいアルかっ!!言ったらナニくれるネっ?ジジィの昔の話は知らないけど、今のネタなら私に任せるヨロシ!パンツの柄までお見通しアルっ!!
特別に、酢昆布一年分で手ェ打ってやってもいいアルヨっ!!」
「そんなっ…ズルイよ、神楽ちゃんばっかりっ!あ、僕っ…銀さんの趣味嗜好ならほとんど網羅してますよっ!!いっつも買い物は僕がしてるんでっ!お気に入りのトイレットペーパーのメーカーとかもわかりますっ!!それからっ、それから…っ」
「コルアァァっ!テメェらっ…!ナニ銀さん喰いモノにしようとしてんだァっ!ダメだって!そーゆーのバラしちゃアっ!!しかも何でシモに偏ってんのォっ?ヒーローである銀さんの謎めいた魅力が…台無しじゃねーかアァァっ!!」
「だから最初っから謎めいてなんかないって言ってるアル!それに、コイツらの知りたがるコトなんて、どーせソッチ系に決まってるネ!!
皆さァ〜んっ!銀ちゃんはァっ、週イチで外泊してるアル〜っ!そしてその日は必ずイチゴ柄の勝負パンっむぐっ」
「かっぐらちゃ〜ん?ちょ〜っとそのお口を閉じやがりなさいね〜っ!!でねぇと叩き出しますよォ、マジでっ!!」
「ふぉのふぇほよくぇるぬえぇっ(その手をどけるネ〜っ)…」
「………え?」
「ぅぐっ…ふんぬぅっ…ぐわああああぁっ……!!」
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