140字とか小ネタとか
□必殺技
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『必殺技』
「『必殺技見せて下さい!』って新八が真剣な顔して頭下げたのでここに来ましたー」と万事屋が言ったので、上等だ相手してやろうじゃねぇかと道場へ誘うと、いやここで良いよと止められた。
直後、
「…十四郎」
目を潤ませ名を呼ばれた瞬間、俺は懐から財布を取り出し万事屋に手渡していた。
必殺技ってこれぇぇえ?
* * *
二人に向ける視線がつい冷たいものになりかけ…しかし僕は気を取り直して言った。
「いや…それもある意味すごいんですけど…モノスゴク役にも立ってるんですけど…そゆんじゃなくて!もっとこう…一撃で相手を行動不能にするような?奥義的なもんはないんですか?」
「もちろんある!が…ダメだ。危険すぎる!下手をすればお前にも…そして俺自身にもダメージが返る。せめてお前がもう少し成長してからでないと…」
そうか…そんなすごい業を持ってるんだ!やっぱり銀さんはすごい人だ!
「それでも構いません!是非見せてください!僕…強くなりたいんですっ!お願いしますこの通り!」
僕は再び深く頭を下げた。
「…だってよ?どうする?見せちゃうー?と・お・し・ろ・ぉ?」
………結局ソレかよぉぉぉっ!
一気に冷めた思いでのろのろと頭を上げると鬼の副長と異名を取るほどの猛者が顔の下半分を血で染めていた。
思い浮かべただけでソレぇっ!!??
……確かにすごい威力らしい。けど…
あのー銀さん…僕にも使えるようなの、ないんですかね?
――――――――<終>
【補足】
ちょっとわかりにくいかもしれませんが「自分たちにもダメーシが」っていうのは「見せちゃった」場合、新八には刺激が強すぎ、自分は淫行罪に問われる危険がある(かも?)って意味です。
十四郎はその「スゴイ業」を体験したことがあります。よっぽどヨカッタんでしょう(笑)
またしても、りでる様との共作です。冒頭の十四郎視点の部分が、りでる様の手による140字作文になります。
りでる様、ありがとうございました!
※1 りでる様の了承を得て掲載しております。
※2 ツィッターに載せたものに多少の加筆・修正が加えてあります。
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