140字とか小ネタとか

□思い残すことありて
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ぐすっぐすっ、ずぴーっと隣がやけに騒がしくて目が覚めた。

まだ半分眠っているような頭でぼんやりと考える。コイツ…花粉症かぁ?なんだよ…そんならそーと前もって言っといてくれりゃあよかったのに。あんまりいい天気だったもんだから昨日珍しく外に布団干しちまったんだよなー。

ひっきりなしに鼻を啜り上げる音が聞こえ…ただでさえギリギリの睡眠時間を更に削らせることになったと思えば多少の罪悪感も湧く。

「あー…なんだ、その…なんか悪かった、な……」

枕から顔も上げないままもごもごとそう呟くと隣でぐずぐずと鼻を啜っていた男がガバッと覆い被さってきた。

「うぉいっヤメロッ!ハナミズつくっ!」

「いいんだ銀時っ!たとえハジメテじゃなくたって…おっ、俺のっ!お前への愛は変わらねぇぇぇっ!!!」

……はぁあ?夜中にいきなり…ナニ言ってんだぁコイツ?

寝惚けてんのか?だったらてきとーにあしらっときゃいいか。俺も眠いし。

「あっそうハイハイあんがとなー。そんなにまでアイされてて俺ってば幸せー。ほんじゃオヤスミ〜」

棒読みもいいとこだったがその返事に満足したのか男は俺の上から退き、俺は再び安らかな眠りへと誘われていった。

夢うつつに「銀時をっ…俺に下さいっ!シンスケとかいう奴より絶対絶対幸せにしますッ!」とか何とか言ってる声が聞こえたようにも思うけど…寝惚け野郎に二度も付き合う気はさらさらない。

別に布団のせいでもなかったみたいだし、寝不足になろうがヤツの自業自得だろ。俺はヤツの声をシャットアウトすべく、深く布団に潜り込んだ。

途中で眠りを邪魔されたにもかかわらず、その夜見た夢は酷く懐かしいもので…幸せな気分で目を覚ました俺は畳の上に奇妙な物体を見つけることになる。

「お…多串くんん!?何やってんのぉぉ!!??」



(↑銀ちゃん視点)

(続いて松陽先生視点↓)



最初はちょっとびっくりしましたが…考えてみれば銀時だってもういい年ですしねぇ。懇ろな相手ぐらいいたっておかしくないですよね。

畳に頭を擦りつけるようにして平伏する全裸の男に昔一度聞いたのと同じような台詞を言われ、ふと笑みが洩れた。

晋助じゃなかったのは意外でしたが…真っ直ぐな、いいコじゃないですか。貴方を大切に思ってくれているし、貴方もまた…。隠したってわかりますよ?貴方が彼を大切に思っていることは。

久しぶりにこちらを訪ねてみていいものが見れました。とりあえず銀時のことは心配なさそうですね。

さて。他の子たちの様子も見に行ってみるとしますか。

銀時に違う相手がいるとなると…とりわけ晋助のことが心配です。なにしろあの頃の晋助ときたらまさしく銀時命!という感じでしたからねぇ…アレがそう簡単に変わるとも思えませんし…。

あ、そうそう。その前に。

「銀時のこと…よろしくお願いしますね?」

にっこりと微笑んで眼前の男を見やると、白目を剥いて気絶している。

「おやおや。せっかく…おそらくは貴方が望んでいるだろう言葉を言ってあげたというのに。仕方がありませんねぇ…では返事はまた次の機会ということで。それまで銀時と…仲良くね?」

誰も見る者のない空間に向かってウインクをひとつ。くすくすと幸福そうに笑いながら男は空気に溶けるようにその姿を消した。





――――――――<終>




【補足】


スタンド的な松陽先生と万事屋に泊まった土方くん、ご対面の儀(笑)

はいそーです。またもやりでる様の140字に乗っからさしていただいてます。

りでる様、いつもスミマセン…。そしてありがとうぅぅぅーっ!!!ヽ(´∇`)ノ



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