小説おきば。

□星に願いを。
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「兄ちゃ〜ん、あれは?」
「鷲座。アルタイル」
「じゃああれは?」
「琴座。ベガ」
「ヴぇー!!!兄ちゃんすごい!!物知り!」

俺達は日本の七夕祭ってものに来ている。
いろんな人と来たけど、今は皆それぞれに天体観測をしてる。
それは俺達も例外ではなく、俺も兄ちゃんと星をみてるんだ。
「ねぇ兄ちゃん、七夕のお話しってる?」
「織姫と彦星のやつ?」
「うん」
どうやら兄ちゃんはあまりくわしくはしらないらしい。
「あのお話ってさ、俺達みたいだよね!」
「は?どういうことだ?」
「だって織姫と彦星は一緒にいたら仕事しなくなっちゃったんでしょ?だから何となく似てるかな〜て」
俺が言った言葉に兄ちゃんは少し驚いて、少し笑った。
「ばーか。似てるのはそこじゃねぇだろ」
「ヴぇっ?違うの?」
違くはないけど…と兄ちゃんはつぶやいてから言った。
「俺達がお互い仕事も忘れるくらい好きだってことだろ?」
そんな甘い台詞をはいた兄はまた空を見上げた。

俺は少し小さくなって顔を隠した。

今俺はどんな顔をしてるんだろう…

きっと真っ赤になっているにちがいない。




「っ…反則だよ…」




ねぇ神様?




俺は、こんな素敵な兄ちゃんとずっと一緒にいられますように…


そうやって、俺は星に願う…




end

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