小説おきば。

□大嫌いな君へ精一杯の愛を
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※ドーヴァー







「ん…」
「えっ、なにこれ?」

いきなり顔あわせたとたん小さな箱を渡された。

「やる…」
「へ?」
「いらないからやるっつってんだろ!!ありがたく受け取れ!!」

一体なんなんだ?いつもならすぐに殴り合いや口喧嘩が始まるっていうのに……

俺は家に帰るとすぐに箱の中身を確認した。
どうせビックリ箱だろうと思い慎重に開ける…


…中身はビックリ箱でもスコーンでもなかった。

箱の中には俺宛ての一通の手紙と綺麗な刺繍のほどこされたハンカチが入っていた。

「え、なんでこんなの…?」

なんであいつはいきなりこんなものを俺にわたしたんだろう…理由を知るために一緒に入っていた手紙をひらいた。
ひらいた瞬間、なにかが床に落ちた。

床に落ちたものは指輪。

ずいぶんと古いもののようだ…俺にはすぐにだれの指輪かわかった。


手紙にはこうかいてあった…



フランシスへ


こうでもしないと、俺はちゃんとお前に伝えられないから…
この手紙と一緒に入っていた指輪は俺がいつまでももっていていいものじゃない。
だからかえす。
…あいつによろしく言っといてくれ

箱に入っているハンカチは俺の手作りだ。お前はどうせ使わないだろうけどな


最後になるが俺は、お前のこと…嫌いだけど、言うほど嫌いじゃねえから。
誕生日おめでとう。フランシス



「誕生日…?」

あぁ、なるほど。
そういえば俺誕生日か…
で、お前はそれ覚えてたの?
プレゼントならもう少し渡し方ってもんがあるでしょ
まったく、坊ちゃんはいつまでたってもガキだな。

この指輪は明日あの子に届けに行こう。

仕方ないから明日からこいつのくれたハンカチ使ってやるか!










大嫌いな君へ精一杯の愛を







フランシス誕生日おめでとう!!!!

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