小説おきば。
□今日も兄は帰って来ません。
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今日も兄は帰って来ません。
時間は0時。だれもがもう眠る時間…
でも兄ちゃんは…ロヴィーノ兄ちゃんは帰って来ない…
どこにいるのかはわかってる。
きっとまたアントーニョ兄ちゃんの家だ…
寂しいよ………
怖いよ………
助けてよ………!
こんなのきこえるはずがない。
だって兄ちゃんはここにいないんだから…
「……っ……ぅ…ぅ…っく……うぅ…兄、ちゃ…ん…」
こうやってまた、俺は一人で泣くんだ…
そしてそのまま眠って
兄ちゃんが帰ってきたら笑顔で「おかえり」っていうんだ…
俺の心を知られないために。
(その時は、ドアの向こうに貴方がいたなんて知らなかったんだ)