小説おきば。

□150回目に捧げる言葉
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もうすぐ日付が変わる…
今までの149年から歴史を受け取って

150年目が始まる。


統一して150年…
人には途方もなく長いだろう。でも俺達にはまだまだ短かった。

いままで、二人でいれなかった時代のほうが長いから…

一緒だった時間よりもはるかに長いそれはまだまだ埋まらない。
埋まるほどの時間はたっていない

でもきっと、そんなに長い時間がなくとも埋められる。そんな気がする

だってあの時ほど子供じゃないし、お互いの気持ちも少しずつわかってきたから。






「兄ちゃん」
「んだよ」
「……もうすぐだね」
「…あぁ」

今俺達は二人っきりで家にいる。
これから皆が来て、二人っきりではいられなくなるから。
せめてその時だけは、二人きりがいい


「ねぇ、兄ちゃん」
「なんだよ馬鹿弟」
「いままで149年、いっしょにいたよね?」
「あぁ」
「……」
「……」
「…俺、これからもずっと…ずっと一緒にいたい」

俺がそういうと兄ちゃんは俺を抱きしめてくれた。

「ばーか。いたいんじゃねぇ、いるんだよ。これから100年、1000年…ずっとだ」
「ヴぇ…ほんとに?」
「当たり前だぞ。お前から離れたいっていったって絶対に離してやらねぇ」


…一日が、149年目が終わる音がする


「おめでとう、兄ちゃん」
「おめでとう、フェリチャーノ」


「「これからも、永久によろしく」」









150年目に捧げる言葉

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