灰色の紋章
□第三章 極秘依頼
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「あたしもついて行くわ」
「でも…もしかしたらまたあの魔物が現れるかもしれないし危険だよ」
「なによ…あたしだってラグナートさんを助けたいのよ」
イリアはラグナート直伝の剣技を備えていた。
イリアもカイツも小さい頃からお世話になっていたのだ。
「分かった…まずどこ行こうか?」
「村長さんから地図をもらったわ。ここがクレスト村だから北の方に港町があるらしいからそこへ行って魔の森での出来事を聞いてみましょ」
クレスト村は地図の最西端に位置している。
港町プレバスはクレスト村から北に向かうとすぐに見えてくる。
「大きな町ね」
クレスト村の倍はあろう広さに辺りを見回す二人。
至るところに商人がいてここは物流の激しい町だった。
「さっそく聞いて見ようよ」
「そうね…」
「ちょっと君たち!!」
前から中年のおじさんがあわてながらこちらへ駆けてくる。
「勝手に入って来ちゃだめじゃないか!もしやつらに見つかったらひどい目に…」
「やつらって?」
イリアの目つきが変わる。何かの異変を感じ取ったのだ。
「この町は盗賊団により納められている…今は違う村を襲いに行って留守だがもし見つかったら殺され…」
「違う村…まさか…!!」
カイツははっと何かに感づく。
その数秒後カイツすでに行動していた。
「シュッッ!!」
抜き足により凄まじい速さで町を出る。
「待って!カイツ!!!」
「…!?今なんと…」
おじさんの声は全く届かず二人は町を勢いよく飛び出す。
「ハァハァ…」
カイツはクレスト村の入り口付近に立ち尽くしている。
「ムン…爺ちゃん…」
カイツの目の前に広がっていたのは燃え盛る原形をとどめていない村の中に無惨に切り刻まれ倒れているムン爺、そしてカイツと親しい村人だった。
「あ…ああ…」
「「うあああぁぁーーー!!!」」