BLUE SKY BLUE EYES
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第1話「日常」
「好きだよ。」
この一言が、
こんなにも言えないなんて 、
私は知らなかった。
いつものように目覚める朝。
友達と挨拶を交して机に腰をおろす。
チラリと私の横へと視線を移す。
無表情にどこかを見つめる彼。
そんな彼に好意を抱いたのは、
彼の ″存在″に気づいた時。
彼は、影で、
たくさんの人を支えていた、
コートの中で。
幻の6人目。黒子テツヤ。
「あ、お早うございます。」
私を見抜く瞳。
『お、おはよう! 』
ぎこちない挨拶。
「…」
こんな挨拶だけで熱さと嬉しさがこみ上げる。
そんな私の感情。
今日は、まぶしいくらいの快晴だ、
私は手を翳しながら目を細める。
君に手が届かない。
会話らしい会話はなし。
朝のこの挨拶だけ。
ああ、なんて空しい関係。
私の手が空を掠める。
掴みとれない、
君という光。