BLUE SKY BLUE EYES

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第7話「飛行機雲」




今日の朝も、
黒子君の態度は変わらなかった。

日に日に、黒子君との会話とする回数が減っていっている。
そんなの、分かっていた。
避けられていることなんて。

私の気持ちとは裏腹に、
今日は昨日と比べて快晴だった。
雀のさえずりが聞こえる。

ついには放課後まで、会話はなかった。

黒子君は部活。

誰もいなくなった教室のドアを閉め、自分一人の空間を作る。

机に寝そべりながら空を見上げる。

『あ、』

飛行機雲だ。

まっすぐ直線を描きながら空という大きなキャンバスに描く。

白い、軌跡。

雲、それは水蒸気でできた塊。


やっぱりそれは私の手をすり抜ける。


もういっそのこと、やめてしまおうか。

『そんなことができたら、楽なのになぁ』


ルーズリーフを取り出す。

ペンがルーズリーフの上を滑る。
まるで飛行機雲だ。

『あ、飛行機小さい頃作ったなあ』

書いた文字をそのまま折りこむ。
作業は楽しかった。

『できたー!』

このままこの飛行機が空を滑って、君の元に届いてしまえばいいのに。

黒子くんの机の中に紙飛行機をこっそり入れる。

私の気持ちが1mmでも良いから伝わってほしいという願いを込めて。


“君が好きだよ”そんな言葉を添えた紙飛行機。






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