BLUE SKY BLUE EYES

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第10話「BLUE SKY BLUE EYES」




気付くと彼のドアップ。

『…!?』
声にならない叫びが私の口の中を反響させる。



「どうかしましたか?」

ずいっと彼の顔が再び迫ってくる。

『うぇっ!?いっいや、なんでも…ない、うん』

「…そうですか」


なかなか顔を離さない黒子君、あ、テツ君。

『?…あの?』
だんだん紅潮してきた頬。


鼻同士がぶつかり合う。

テツ君は鼻同士を擦り付けてきたかと思えば、
今度は首筋に。
フワフワするテツ君の直毛の髪の毛がくすぐったい。


『ふふっく、くすぐったいっ』



「…名無しさん、甘い匂いがします」

『そう?なにもつけてないんだけど』

「甘い、です。」そう呟きながら、
今度は首筋に擦り付ける。
まるで猫の匂い付け行動みたいだ。

「名無しさん…」
テツ君の甘いその瞳に私は目が霞むのを感じる。

『テ、テツ君』
抗えなくて、嫌じゃなくて、でも恥ずかしくて。

ぎゅっと目を瞑る。

…が、来るものは来なくて、
片目だけ開いてみるとテツ君の悪戯な笑みがあった。

「…可愛い。いつも僕からなので今度は名無しさんからしてもらおうかな、と」

『えぇ!?』

いいでしょ、とでも言うようテツ君は目を閉じる。

『ん』

ほんとに一瞬のキス。
『こ、これでいい…?』

「はい」
満足そうに微笑むが、テツ君の手は私の後頭部に。




また顔との距離がゼロに限りなく近くなっていく。


『んっ』

「…くち、ひらいて」

もうなされるがままだ。

口を開けば、舌が侵入してくる。

『んっ…はっ』

苦しくなって、自分のまだ絡めていない舌で戻そうとする。

そんな抵抗は無になって、絡めとられる。

『〜〜〜〜』

「…はぁ」

『は、』

ぎゅう、っと優しく抱きしめられる。
大きな背中に手をまわして抱きしめ返すと。


再び影が重なった。

BLUE SKY BLUE EYES。



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