魏に現れし戦神

□幕間:買い物
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榊「う〜〜ん・・・・・・、どれが良いかな?」

俺は迷っていた。

ここまで迷うなんて、元いた世界じゃ余りなかったからな。

基本的に、一目見て気に入ったら即買いだったからな。

おかげで何度真奈美に無駄遣いだと怒られたか。

榊「つーかアイツはアイツで一番無駄遣いしてんじゃねぇか」

アイツ、俺にはいろいろ言うくせに"あの趣味"でめっちゃ金使ってるしな。

前にそれ指摘したら、

真奈美「に、兄さんは私の唯一の趣味を奪ってしまうの?外では見せられない"この趣味"を?」

って泣かれた。

・・・・・・別に俺は人の趣味をどうこう言う訳じゃない。

趣味ってのはそいつの好きな事なわけで、好きな事を批判する権利なんざ他人にはないんだし。

ただ・・・・・・自分の趣味を他人(俺)に押し付けないでほしいんだよなぁ。

しかも理由が

真奈美「だって興奮するから」

なんて言われたら普通逃げ出したいし・・・・・・。

ただそれはそれで泣かれるからさらに困るし・・・・・・。

春蘭「おーい、榊〜〜!」

陰鬱としたテンションになってると、遠くから春蘭が駆け寄ってきた。

良かった、嫌なテンションが紛れそうだ。

榊「おぅ、なんか良いの見つか・・・・・・た・・・・・・・・・・・・」

春蘭「おお、おまえになかなか似合いそうな物があったぞ!これだ!!」

春蘭が勢いよく広げた物を見てみた。

ほうほう、体全体を覆う白い長ランに背中には桜の花びらと竜の刺繍、その上にデカデカと墨で書かれた文字が

榊「てこれおもいっきり特攻服じゃねぇかーーーーー!!!!」

春蘭「な、何だ?この服は気に入らないのか?」

榊「気に入らない以前の問題だぞ!?何でこんなもんがあんだよ!?いやそれよりも何でこんなの選んだんだよ!?」

春蘭「いや、おまえにとても似合ってると思ってな」

榊「とても似合ってるって俺おまえからどんな目で見られてんだ!?つかこれおもいっきり背中に"夜露死苦"書いてあるし!!」

春蘭「えーい、うるさい!!そんなことよりさっさと着てみろ!!似合ってるかもしれんだろうが!!」

榊「断固として断る!!!」




・・・・・・ここまでくればわかると思うが、俺は今春蘭と服屋(意匠屋)に来ている。

なんでかというと、話は少し遡る事になる。
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