魏に現れし戦神
□幕間:買い物
1ページ/7ページ
榊「う〜〜ん・・・・・・、どれが良いかな?」
俺は迷っていた。
ここまで迷うなんて、元いた世界じゃ余りなかったからな。
基本的に、一目見て気に入ったら即買いだったからな。
おかげで何度真奈美に無駄遣いだと怒られたか。
榊「つーかアイツはアイツで一番無駄遣いしてんじゃねぇか」
アイツ、俺にはいろいろ言うくせに"あの趣味"でめっちゃ金使ってるしな。
前にそれ指摘したら、
真奈美「に、兄さんは私の唯一の趣味を奪ってしまうの?外では見せられない"この趣味"を?」
って泣かれた。
・・・・・・別に俺は人の趣味をどうこう言う訳じゃない。
趣味ってのはそいつの好きな事なわけで、好きな事を批判する権利なんざ他人にはないんだし。
ただ・・・・・・自分の趣味を他人(俺)に押し付けないでほしいんだよなぁ。
しかも理由が
真奈美「だって興奮するから」
なんて言われたら普通逃げ出したいし・・・・・・。
ただそれはそれで泣かれるからさらに困るし・・・・・・。
春蘭「おーい、榊〜〜!」
陰鬱としたテンションになってると、遠くから春蘭が駆け寄ってきた。
良かった、嫌なテンションが紛れそうだ。
榊「おぅ、なんか良いの見つか・・・・・・た・・・・・・・・・・・・」
春蘭「おお、おまえになかなか似合いそうな物があったぞ!これだ!!」
春蘭が勢いよく広げた物を見てみた。
ほうほう、体全体を覆う白い長ランに背中には桜の花びらと竜の刺繍、その上にデカデカと墨で書かれた文字が
榊「てこれおもいっきり特攻服じゃねぇかーーーーー!!!!」
春蘭「な、何だ?この服は気に入らないのか?」
榊「気に入らない以前の問題だぞ!?何でこんなもんがあんだよ!?いやそれよりも何でこんなの選んだんだよ!?」
春蘭「いや、おまえにとても似合ってると思ってな」
榊「とても似合ってるって俺おまえからどんな目で見られてんだ!?つかこれおもいっきり背中に"夜露死苦"書いてあるし!!」
春蘭「えーい、うるさい!!そんなことよりさっさと着てみろ!!似合ってるかもしれんだろうが!!」
榊「断固として断る!!!」
・・・・・・ここまでくればわかると思うが、俺は今春蘭と服屋(意匠屋)に来ている。
なんでかというと、話は少し遡る事になる。