魏に現れし戦神

□第七章:初めての戦(中編)
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華琳「・・・・・・なるほど、そういう事があったの」

それからだいたい二時間後、すべてが終わってから、遅れて到着した華琳達にそれまでの経緯を話した。

春蘭「まったく、何も告げずに飛び出すから、驚いてしまったではないか」

桂花「よく言うわよ。あなたまで飛び出しそうになって。秋蘭が抑えなかったらどうなっていたやら」

秋蘭「いつもの事さ。榊も無事で良かったな」

榊「ああ。悪いね心配かけて」

まぁ、あまり心配してなかったみたいだけど。

華琳「さて、榊が勝手に先行した件についてはしばらく榊に城の掃除をしてもらうとして・・・」

榊「ちょっと待て!?何勝手に決めてんの!?つかあの城の掃除って結構きついよね!?」

下手すりゃ小さな野球場くらいの広さがあるぞ!!

華琳「当然じゃない。これでもし何もなかったら首を落としてるところよ。それともそっちが良かった?」

榊「喜んで掃除しましょう!」

辛い労働か死なんて比べるまでも無いよね!

華琳「・・・で、私が聞きたいのは、何故さっきあなたは勝手に先行したのか。さっきあなたは、『何か見えないか』と言っていたわよね。何が見えたの?」

何が見えたの、か。

ん〜、何て言えばいいのかなぁ?

榊「・・・・・・・・・波紋、て言うのかな?」

華琳「波紋?」

榊「あぁ。ちなみに、現在第七部を連載している漫画の、第一部と第二部に出てくる能力とは違うよ?」

華琳「何の話よ。

波紋て、水の張った所に物を投げ入れると生じる、波の事よね?」

榊「そうそう。あん時こっち方面見たら波紋みたいな物が出来ててな。何となく気になったから先走ったんだ」

秋蘭「波紋、か・・・・・・」

榊「あぁ、ちなみにそれ、春蘭の時も見たぞ」

春蘭「何?」

榊「十日前に闘った時もな、波紋って言うか靄(もや)みたいな感じだったけど、春蘭の体からめっちゃ出ててな。

そん時の靄で春蘭がかなり強ぇ事が分かったからな。しかし今更ながら、春蘭は本当強かったなぁ」

春蘭「ふふん。だろう?」

秋蘭「・・・・・・・・・・・・・・・」

と、秋蘭が何か思い当たるようで、妙に神妙な顔をしていた。

華琳「秋蘭、何か心当たりがあるの?」

秋蘭「はぁ・・・・・・、もしかしたら榊が見た物は、"氣"ではないかと」

榊「"氣"?・・・って何だっけ」

秋蘭「私も、以前町で知り合った武術を使う者から聞いたくらいで詳しくは知らないが、なんでも体内にある生命力を放出し、肉体を強化したり"氣弾"として攻撃する事が出来るらしい。

その者から言わせると、"氣"を扱う事は、武術を使う者にとっては新境地だそうだ」

・・・・・・"氣"で肉体強化や、飛ばして攻撃?

リアルドラ○ンボールじゃん!!

ヤッベ〜〜、オラに元気を分けてくれ〜って言ってみてぇ〜。

榊「・・・・・・あれ?でも今はそんな波紋なんて見えないぞ?」

華琳「おそらく、その"氣"をあなたはまだ使いこなせていないのかもしれないわね。その"氣"はどういう時に見えたの?」

榊「どういう時って言われても、まだ二回目だしなぁ。

・・・・・・そいつが闘志を出した時、かな?」

桂花「どういう事よ?」

榊「春蘭の時は、春蘭が俺を全力で倒してやるって気持ちが高ぶっていたし、俺が助けた許緒も、この村を守ろうって思いが強くなってたみたいだし」

・・・と、すっかり忘れてたけど、許緒はどこだ?

榊「なぁ、そういや許緒はどこ行ったんだ?」
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