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【子ども2/スティユキ】

「パパしゃま!」

ピシリとスティングの身体が固まった。赤ん坊の成長とは目覚ましいもので、この間、漸くハイハイを覚えたと思ったら、次の瞬間には支えを利用して立ち上がることを覚えたりもする。最近の我が子はそれに加え簡単な単語を口にするようになった。そう…簡単な単語を……。

「ユキノ」
「はい」
「コイツ、今なんつった?」
「パパ様ですね」

ああ…聞き間違いじゃねーのか。じゃなくて!!

「おっま、その呼び方やめろって言ったよな!?コイツ、とうとう覚えちまったじゃねーか!!」
「はい。お利口様ですねー」
「いやいやいやコイツ男だぞ!?明らかその呼び方はおかしいだろうが!!」
「えーでも可愛いですよ?どんどんスティング様に似てきて…」
「オレそっくりだから嫌なんだよ!!」

そりゃまあユキノに似て生まれたならここまで全否定もしなかっただろうが……、いや今はこの際関係ない。

「おい。父さんだ、父さん。言ってみろ」
「ぱぁぱ。パパしゃ!」
「違う。と・う・さ・ん」
「ぱー、ぱー、しゃ、むぁー」
「父さん!」
「パパしゃん!」
「何でだよ!?おまえわざと言ってんだろ!?」
「もう、スティング様。赤ん坊相手ですよ?」
「言っとくけどおまえのせいだからなコレ!?」



終わっとけ。



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