□天+縁
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「・・・天草、」
「お嬢?何です?」
「アニメ版だと髪長いのね。」
「いや、そういう設定について話すのはどうかなと、」
「そう?」
「俺だってお嬢の髪が予想より短かったことに
軽く絶望してるんですから。」
「ふーん・・・」
縁寿は何か思いついたように天草の髪を見た。
「! じゃあ、アンタの髪頂戴よ。」
「無茶言わないでくださいよ。」
「えーと、はさみはさみ。」
「ナチュラルに無視しないで下さい。」
それでも無視して鞄を漁る縁寿。
「あ、あったあった。」
はさみ片手に天草に近づく縁寿。
「いや、お嬢!髪の量的に無理ですよ!?ちょ、やめ」
天草の力なら縁寿を退かす位簡単だが、まぁ
一応雇われているわけで。
「まぁまぁ、減るわけじゃあるまいし。」
「お嬢!?キャラ壊れてますよ!?つーか減りますよ!」
「キャラなんかどうでもいいのよ。
どうせ挽き肉になるのは変わらないんだから。」
一瞬縁寿が悲しそうな顔をした。
「おじょ・・・」
「chance!ふふっ、甘いわね!」
ぐい、と縁寿は天草の髪を鷲掴みにした。
「いたぁっ!!」
「大人しく髪を切られるがいいわ!おらぁ!」
キャラ崩壊。
「ぎゃぁ!お嬢!お嬢!髪色とかッ!髪質的な理由はッ!」
天草が最後の足掻きの如く口にした。
「・・・?」
髪は切られることもなく、はさみは仕舞われた。
「お嬢・・・?」
「何よ?」
「良いんですか?」
「何が?」
「髪が。」
「だって・・・もう下に居るのよ?」
「あ・・・」
下には霞達がそろっていた。
目の前のことしか見ていなかった。
「じゃあ、逃げますか。」
「当然じゃない。霞に捕まったりしたらアンタの給料無しにするわよ。」
「そりゃ困ります。命懸けなんですから。」
「アンタもう少しスリリングなのが好きかと思ってたけど?」
「まぁ、好きか嫌いかと聞かれれば好きですが?」
くっくっく、と天草は笑って、帽子をかぶった。
「殺しは面倒だから止めてよ?」
「お嬢と居るとこれだから厄介ですね。」
「まぁ、殺してもいいけど、そうしたら私はすたこらさっさと逃げるわよ。」
「はい、知っています。」
「車は?」
「もう発信機付けられてるでしょう。捨てた方が利口だと思いますが?」
「そう。じゃあ、この辺一帯無理ね。もう集まってきてるのだけど?」
「相手の車取りますか?」
「すぐ逃げられるならどうでもいいわ。」
「了解しました。」

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