□キャンディーの魔法
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学パロ








え?何よ今忙しいの。後にしてくれない?
何?だから急いでるのよ。

何でってそりゃ・・・
っあーもうっ、うるさいわね!何!?説明すればいいの!?
・・・分かったわよ。


ほら、今日土曜じゃない?
だから学校も午前中だけなの。

え?知ってる?分かってるわよ黙って聞きなさい!!

それで、午後暇だったからベルンに午後遊ぼうって言ったのよ。
OKが貰えたから家に帰って昼飯も食べずにあの子の家に行ったわ。
でも仮にもあの子に会うわけだから軽くおしゃれしたけど。

それであの子の家に行ったのよ!
でもね、あの子はいなかったの。
別にいつもの事だわ。
退屈だから私と遊ぶって言うとすぐどこかに行っちゃうの。

だから探してるのよ、分かる?
え、何で探すのって?
そりゃあ私がベルンを好きだからに決まってるじゃない。

それにね、探してる間も楽しいの。

別に苦だなんて思ったことも無いわ。
だってあの子は私が探したりしなさそうな所にいるとかいないとかそういうんじゃなくて、
只外に出てるだけだもの。

前はそこの喫茶店で紅茶を飲んでたこともあったわ。
だからこれは探すとかじゃなくて、待ち合わせ場所に向かってるだけよ。

でも急がないとあの子退屈で死んじゃうじゃない?


だから急いで
「・・・っあ」
「・・・ラムダ、」

私の目の前に現れたのは、
「あっ、やっほーベルーン☆」
ベルンは私があげたパーカーを着てた。愛があるわぁ☆
それから、何か咥えてた。あれは・・・飴かしら?

「・・・来てくれなかったからどうしたかと思ってた。」
これは、ベルンが私を走らせるのに退屈した時に出る言葉。
私が見つけないと、ベルンは退屈してしまう。
・・・いや、してしまったか。

「ごっめーん、ベルンの為におしゃれしてたら手間取っちゃって☆」
私はそう言ってスカートの裾を摘んでベルンに見せる。

ベルンの表情が少し変わった気がした。

「・・・そう。」
「ところでベルンは何食べてるの?」
「・・・飴」

そう言うとベルンは咥えてた棒を出して見せた。
棒の先には、赤い、半透明の玉。
「何味?何味?少しちょーだいっ!」

私が口を開くと、ベルンはその飴を私の口の中に突っ込んだ。
「ぇうっ!?・・・っ!!!???」

「・・・チュッ○チャ○スホットチリ味。ヱリカが作ったらしいけど」

ヱリカブランドじゃチュッ○チャ○スじゃないんじゃないかなーと思う。

つーか辛っ!辛いよこれっ!
「まだあるけど、いる?」
ああベルンが私に飴をっ・・・!でもコレはさすがに辛・・・
私が飴を口から出すと、目の前に赤い飴が差し出された。

今度のは棒についたのじゃなくて普通の飴だった。
「・・・っいや、私は・・・遠慮するわ・・・」
私が辞退すると、

「・・・っん?!」

唇に柔らかいものが触れた。
目の前にはベルンのガラス玉みたいな綺麗な紫の瞳が・・・え?
口の中にころんとした感触。
今度のは辛くなかった。

「・・・折角」

「え?」
唇を離すとベルンがぽつりと口にした。


「折角口直しに苺の飴あげたのに。」


するとベルンは後ろを向いてスタスタ行ってしまった。
「っえ?あ、待ってよベルンー!」
私の口の中には、苺味よりもっとずっと甘いものが残った。
                                           ・・・気がした。


キャンディーの魔法

――――――
お題配布元
真っ赤な嘘。

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