羽衣篇
□参訓 人はパンのみにて生くるにあらず
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「銀さん…外食ってここですか?」
「あれ〜、銀さんじゃない?どうしたの、みんなお揃いで?」
ここは大江戸公園、マダオこと長谷川泰三の棲みかである。
公園のベンチ脇の茂みの中でキャンプでもしているかのように焚火をくべて
(※公共の場所での焚火は禁じられています。真似しないでください。)
朝食の準備をしていた長谷川が銀時たちに気づいて声をかけた。
「おう、長谷川さん。丁度良かった。朝飯食いに来たんだよ。
ちょっと御馳走してくんない?」
「おいおい、どこの世界に公園生活者にご飯たかる人がいんの?おかしくない?」
長谷川の近くに歩み寄りながら銀時が何の遠慮もなくそう言うと、長谷川は眉間にしわを寄せて抗議したが、すぐに諦めたように
「しょーがねーなぁ、それじゃ一切れずつだぞ」
とパンの耳を銀時、新八、神楽に差し出した。
「おい、グラサン、ふざけたこと言ってんじゃねーぞ。こちとら育ち盛りのシティっ子アル。
こんなもんで満足するような安い女じゃ無いネ。その袋ごと全部よこせヨ」
「あぁぁぁあ!俺の一週間分の食料がぁ!!」
神楽が長谷川の手からパンの耳の詰まった袋を取り上げて、一気に喉に流し込む。
食べ終わった神楽はゲップをつくと定春とじゃれ始めた。新八も巻き込まれるように定春に咥えられて連れて行かれた。
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