短編集

また会える
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俺達はくだらないこと話して盛り上がっていた。でもやっぱり自然と話は県大会のことに向いていく。

「勝てるといいな」

「ああ」

でも此処で不思議な違和感を感じた。県大会の話をしても優太は楽しそうではないのだ。何かあったのだろうか…。

「何かあったのか?」

「亮さ、俺がもし出られなくても頑張れよ。」

優太は俺の質問に答えずこう言った。

「は?何でだよ。何かあったのかよ!」

「…」

このあと優太は何を聞いても何も答えてはくれなかった。
なんだよ…。親友って思ってたのは俺だけかよ。
無性に怒りが込み上げてきて、無性に悲しみが込み上げてきて、俺はおかしくなってしまいそうだった。

長い沈黙が続くなか優太は一度も俺に視線を合わさない。なんだっていうんだ本当に。

その時、静かな部屋の沈黙を破るかのように電話の音が鳴り響いた。
俺は怒りを溜めたまま乱暴に電話に出た。明らかに礼儀が悪いのに相手は話し始めた。なぜなら

「亮か!?俺だ!慎二だ!大変なんだ!」

相手、慎二が相当焦っていたから。ちなみに慎二は俺と同じサッカーのチームメイトだ。

俺は怒りを忘れ慎二に焦っているわけを尋ねた。

「落ち着いて聞いてくれ」

お前が落ち着けだなんて間違っても言えない。

「ああ」

「優太の家が家事にあった」

俺はひどく驚いた。それは大変だ。早く優太に伝えないと。

「今優太が俺の家に居るけど伝えようか?」

でも俺は慎二の言葉に自分の耳を疑った。

「…何言っているんだよ。優太は…意識不明で今病院にいるんだぞ」

俺は受話器を落として後ろにゆっくりと振り返る。
冷たい汗が背中を伝う。

そして振り返った先には…

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