イマミライ

拍手ログ
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-エイプリルフールの後に-



「本当ごめんねぇ」

「うるせーって」

「まさか礼二が驚くとは思わなくて…」

「だからしてねーって」

今にも爆発しそうな礼二と、必死に謝る俺。一体何があったのかだって?

それはエイプリルフールのこと。
4月1日は世界的に騙して騙される日なのは承知の通りだと思う。世界なんかじゃ笑えない嘘が飛び交っている中、俺はね、やってみたわけなんだよ。礼二相手に。
もちろん、礼二のことだからすぐに気がついて、いやむしろ嘘を言う前から気がついて殴られるはずだったんだよ。本当は。でもさまさかあんなにとり乱れるなんてさ…

「本当悪かったって。でも正直気がつくだろ」

「う、うるさい!あんなんだれでもびっくりするだろ」

さっきまでびっくりしてないだの否定してたのに知らず知らずの内に肯定していたとは気がつかないなんて、よっぽどなんだな。
本当…ごめんね。

「でも…取り乱してる礼二可愛かったなぁ」

礼二の一撃必殺を食らった。

「うるさいうるさいうるさーい!未来のくせにー」

あらら、礼二がなんだか小さい子供に見える。

「…俺が、俺がねずみ見るのも駄目なこと知ってるくせに。なんだよもー」

ネコ型ロボットかよ。
実は礼二はネズミが大嫌い。理由は小さいころ物置小屋に大量発生しているのを見てからなんだそうです。小さい頃のトラウマは引きずるからねぇ。

「でも普通さぁペット飼ったって言って、段ボール箱差し出した時点で変だと思えよ。エイプリルフールだったんだし」

「未来だから違和感なかったんだよ!」

どんだけ…
此処までで大体想像ついたかと思われますが、俺が礼二についた嘘はこんな感じです。

「礼二、俺ペット飼ったんだ」

「まじで?…お前がか?」

「まあね。見る?」

「見る。でも何飼ったんだ?」

「見ればわかるよ」

段ボール箱差し出す。
中にはネズミが大量にいる。(模型)

「ぎゃー!!」

ってまさに絵に書いたような展開と驚きようで、騙した俺のが寧ろ驚いたよ。

「でも本当にあれは悪かった。もう機嫌直して?」

それでも礼二は口をヘの字にして怒っている。

「ちゅーしてあげるから」

「そんなんいらねー」

ショック。普通ならこれで仲直りなのに…。

「俺のこと嫌い?」

「…きらい…じゃない」

真っ赤になる礼二がいた。なんだか最近素直になってきたなぁなんて思ったり。

「俺も大好きー!」

ってぎゅっと抱きしめれば軽く拒みつつもすっぽり収まってくれた。

「大好きなんて俺はいってねーけどな」

なんて耳まで真っ赤に染めながら言っても説得力ないんだけどね。
腕の中の礼二が本当にかわいい。

本当、シアワセ





――――――――――――

このあと未来は二ヶ月ほどおあずけだったとか。笑
遅いエイプリルフールネタです。

ちなみに礼二はネズミ嫌いとか言いつつ、あるアミューズメントパークのネズミは平気らしいです。


※エープリルフールのとき拍手用に載せた小説です。

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