晴れのち他夢

□『もしも』が叶ったら〜第二回 夢主人公座談会編〜
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ハロウィン特別夢小説1−1







【各夢世界でTrick or Treat! 〜キャラたちからお菓子を奪え♪〜】


〜ハリポタ編〜







――ホグワーツ魔法魔術学校。
 魔法使い、魔女を育成する学校としての長い歴史あるその場所は、その日、異様な空気に包まれていた。


 多くの強者どもが・・・・・否、生徒たちが今日この日を待ち望んでいた。

 どの生徒も朝早くから食堂の入り口を競い合い、陣取った席から食堂の入り口を見つめている。それは入り口から最も遠い教職員席でも同様で、皆が皆巨大な扉を見つめているのだ。



 ゴーストたちが――ピーブズでさえも――恐れをなして近づかないほどに。



 殺伐とした空気すら流れかねないこの空間が生まれたのには理由があった。
 何故なら本日は「ハロウィン」なのだ。

 イコール、あの超絶美味な漣のお菓子が食べられる日。
・・・・さすがに全校生徒の分を用意できないだろうことが予想できるがために、数量限定の一品獲得のために誰もがいきり立っていた。

 数日前から反則行動を取り締まるために、スリザリン寮生は起床後すぐに食堂集合、スリザリン寮周辺で待ち構えることも厳禁ともされていたほどだ。


 そして今、一つの小さな足音が食堂に近づいてくるのを、全ての者の耳がキャッチした。
 今ここに居ない者など、一人しかいない。

 誰もが生唾を飲み込み、扉が開かれるのを待った。




キィ・・・




 その場は、妙な沈黙に包まれた。


 ある者は目と口を限界まで開いて固まり、

 ある者はハロウィンの贅沢な朝食に自らの手を突っ込み、

 ある者は頬を、耳を、顔を、真っ赤に染めた。



「おっはよーさん!」



 その場を揺るがす一声。
 まず始めに我に返ったのは、何故かドラコ・マルフォイだった。


「な、な、な、レ、レンッ!!? どうしてそんな格好をしてるんだッ!!?」


「え、似合わない?」


 ぼろぼろのシャツに穴だらけのジーパン、よれよれのスニーカーという格好は快活そうな笑みを浮かべる漣には不似合いなものだったが――――その頭には茶色い耳がピョコピョコと動き、その尻にはゆらゆらとふさふさの茶色い尻尾が揺れていた。


 似合わないのではない。

 似合うのだ。

 恐ろしく似合っていた。






◆◇◆

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