04/12の日記

22:59
バルセロナ-アーセナル
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バルセロナ-アーセナル
UEFAチャンピオンズリーグ 準々決勝(2nd leg)
カンプノウ

バルセロナ
1 ヴィクトル・ヴァルデス
2 ダニ・アウベス
4 ラファエル・マルケス
6 シャビ・エルナンデス(C)
10 レオ・メッシ
11 ボヤン・クルキッチ
(55分→24 トゥーレ・ヤヤ)
15 セイドゥル・ケイタ
16 セルジ・ブスケッツ
17 ペドロ・ロドリゲス
(85分→8 アンドレス・イニエスタ)
18 ガビ・ミリート
22 エリック・アビダル
(52分→19 マクスウェル)

アーセナル
1 マヌエル・アルメリア(C)
2 アビ・ディアビ
3 ガバリ・サニャ
5 トーマス・ヴェルマーレン
7 トマス・ロシツキ
8 サミル・ナスリ
14 セオ・ウォルコット
15 デニウソン
18 ミカエル・シルベストル
(63分→27 エマヌエル・エブエ)
22 ガエル・クリシ
52 ニコラス・ベントナー

得点
(ア)18分 ニコラス・ベントナー
(バ)21分 レオ・メッシ
(バ)37分 レオ・メッシ
(バ)41分 レオ・メッシ
(バ)87分 レオ・メッシ

 この試合ソングがつかえないという誤算があったアーセナルはセスク・ファブレガス(スタンドで観戦)を欠いてから7勝3敗1引き分け。ちなみに同じく欠場のジェラール・ピケはセスクの2列後ろの席で観戦していたとのこと。対してミリートとマルケスという極めて珍しいコンビの最終ラインを組ませたバルセロナは絶対的なターゲットのイブラヒモビッチが欠場。2−2の1stレグを受けてどんな試合をしたのか?

 アーセナルは70分までは0−0で持ちこたえようという作戦(ヴェンゲル談話より)で臨んだこの試合。バルサ対策としてパスの出所、即ち、シャビ・ブスケッツを狙ってプレスをかけていった。18分、わずか27%のポゼッションだったガナーズはウォルコットの抜け出しからベントナーが押し込んで待望の先制点を得た。しかしそれも束の間、メッシが目の覚めるようなミドルシュート(ペナルティーアークあたりから)で振り出しに戻し、その一連のプレーにファンは歓声を通り越して拍手でカンプノウを包み込んだ。シルベストルが失球後にケアをしていたものの、メッシを止められなかった。この時点でのパス成功数は160−36と、これだけを見てもスコア以上の差があるのが見て取れるだろう(26分時点)。4人かかっても止められないメッシをシルベストル1人で止めさせるのは酷だったし、左でのシュート(21分得点)と右足のシュート(31分頃・惜しくも枠外)を見せられたら次のマッチアップが怖くなるのがDFの心境である。

 3点目はオフサイドを取り損なったDFを尻目にボールをすくい上げてのシュート。何度も見事な飛び出し&高速ドリブルを披露したメッシに実況の倉敷氏も「光の速さの宇宙船を見ているようだ」と表現した。また、今現在バルセロナを苦しめることができるのはリヨンと"某白いチーム"だけとの見解も示した。

 後半はバルサが早めにカードをきったところから。若干ではあるが、バルサは「トレーニング・モード」に入っていた。ペドロのチェイスに苦しむガナーズDFに対して、マルケスはタックルしたボールがパスに繋がらなかったことを悔やんだという事は、この2チームの次元の違いを示した。必要なかったから取らないだけで、7−1にするくらいの力を秘めていたことは手に取るように感じた後半であった。

 この試合、決してアーセナルが弱腰なプレーをしていた訳ではなかった。単にバルセロナと言うチームが強すぎただけなのである(とはいえ、この試合"も"ダニ・アウベスのクロスはドフリーにもかかわらず宇宙一アバウトだった)。今思うと、メッシがいなければアーセナルは対等に戦えたとは思わないが、少なくともメッシがバルサに居て、かつ、それを活かせるチームメイトが居た時点でこの試合は決まっていたと言えるかもしれない。
 また、監督にも欠点があった。(今回はアルシャビンという武器を使えなかった事もあるが)ヴェンゲル・アーセナルがここ一番で試合をひっくり返せないのは、彼が試合をあまりにも理論的に考えすぎるからである。どんなに点が欲しい展開だとしても、ヴェンゲルにDFを減らしてFWを追加するというオプションは無かったし、これからも無いだろう(アーセナルの布陣は3トップと表されることがあるが、実質1トップ+サイドもしくはセントラルMF2人である)。

 この試合、見出しを付けるならばズバリ
 「アーセナル 降参」だろう。

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02:39
トッテナムH-ポーツマス
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トッテナムH-ポーツマス
FA杯 準決勝
ウェンブリースタジアム

トッテナム
1 ゴメス
22 エドゥラン・チョルルカ
20 マイケル・ドーソン(C)
19 セバスティアン・バソング
3 ギャレス・ベイル
5 デイヴィッド・ベントリー
(78分→21 ニコ・クラニチャル)
6 トム・ハドルストン
(ET12分→17 エイドォル・グジョンセン)
12 ウィルソン・パラシオス
14 ルカ・モドリッチ
15 ピーター・クラウチ
18 ジャーメイン・デフォー
(58分→9 ロマン・パブリチェンコ)

ポーツマス
1 デイヴィッド・ジェイムス(C)
16 スティーブ・フィナン
4 アーロン・モコエナ
3 リカルド・ロシャ
6 ヘイデン・マリンズ
(ET28分→22 リチャード・ヒューズ)
11 マイケル・ブラウン
35 マーク・ウィルソン
32 ハサン・イェッダ 
(87分→17 ジョーン・ウタカ)
24 アルナ・ディンダン
23 ケヴィン・ボアテング
9 フレデリック・ピキオンヌ
(ET22分→8 パプ・ブバ・ディオプ)

ゴール
(ポ) フレデリック・ピキオンヌ
(ポ) ケヴィン・ボアテング

芝の評判が悪いウェンブリーでの一戦(屋根がついているため、通気や日光が影響し、芝が柔らかいのが原因である)。お互い何かと関わりのあるチーム同士のマッチアップとなった。ハリー・レドナップを筆頭にクラウチ、クラニチャルなど元ポンペイの選手が多いスパーズ。対してトッテナムからポーツマスにローン移籍中のオハーラはその契約上トッテナムとの試合には出場できないことになっている。活躍中の選手だけにポーツマスにとっては残念な点であった。ちなみにポーツマスはKappa製新ユニフォームのお披露目の試合でもある。9度目の優勝を目指すトッテナム、財政難だし失うものは何もない・決勝の舞台を目指すポーツマスが激突した。

始めからお互いに攻めの姿勢を前面に出した試合展開。トッテナムはサイドの好調ベイルが躍動。運動量豊富なベイルのクロスに長身クラウチが反応というパターンが主になり、はじめは左サイドにはいっていたモドリッチは次第にややセントラル気味でボールを引き出す仕事となった。対してポーツマスも相手DF5人に対して3人で攻め崩すなど、体を張った守備から流れを止めずに直線的に攻め立てる形がはまり、優れたキッカーのいないセットプレー以外はとても迫力のある展開。前半はお互いに絶え間なく攻め続けて終了となった。

後半も引き続き攻撃的な魅力ある内容だった。ポーツマスはボールを奪ってからワンタッチで流れるようにシュートまで持ち込む。特に、モコエナ・ロシャの体を張った守備と前線で効果的な起点となったディンダン・ピキオンヌは素晴らしかった。一方トッテナムは長短のパスを上手く使い分けて、その時の状況によってクラウチの高さやデフォーの機動力を生かした。その攻撃の立役者となったのがベイルであった。顔色一つ変えずにピッチを所狭しと駆け回り、正確なクロスを供給した。

軟らかい芝はポーツマスに味方した。試合は延長戦へもつれ込んだ末、ウィルソンのセットプレーからピキオンヌがゴールに流し込んだ。ピキオンヌについていたドーソンは不運にも出足を滑らせてボールに反応できず、ピキオンヌはフリーでシュート。ET25分にはパラシオスがディンダンを倒してPKへ。それをボアテングがきっちり決めて勝負あり。スパーズファンにとってはクラウチのゴールの取り消しやその他の判定に疑問を抱いたかもしれない。しかし試合が終わってみれば、ポーツマスの勝利には納得できるゲーム内容だろう。

この2チームはまだまだワールドクラスの強豪でもなければ、スーパースターと呼ばれる選手もいない。むしろ片方は来期は2部リーグ所属が決まってさえいるのである。それでも思わず声を上げて観てしまう程見応えがあったこの試合は、間違いなく今シーズンのベスト"スリリング"ゲームと言えるだろう。

”追い込まれた男達”は5月15日、チェルシーを相手にどんな試合をするのか楽しみだ。

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