05/12の日記

23:20
フラメンゴ−コリンチャンス
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コパ リベルタドーレス
フラメンゴ×コリンチャンス
マラカナン(リオデジャネイロ)


コリンチャンス
3 シカン
4 ウィリアン(C)
5 ラウフィ
6 ロベルト・カルロス("60 YC)
7 エリアス
9 ロナウド
("82→19 ソウザ)
10 ダニーロ
("66→23 ジョルジ・エンリケ)
17 テンチーニョ
("66→11 イアンデイ)
18 ジュシレイ
22 ジュリオ・セーザル
24 モアシール("65 YC)

フラメンゴ
1 ブルーノ(C)
2 レオナルド・モウラ
4 ロナウド・アンジェリン
6 フアン
8 ウィリアンス
("86→16 フィエロ "89 YC)
9 ヴァグネル・ロヴィ
("80→22 ヴィニシウス・パシェコ)
10 アドリアーノ
13 マルドナード
("31→5 トロー)
14 ダヴィジ
25 ミシャエウ("28 "37 YC→RC)
26 ロムロ

得点
"66 アドリアーノ(F)

 コリンチャンスにはロベルト・カルロスやロナウド、元鹿島のダニーロが所属。一方フラメンゴにはヴァグネル・ロヴィやアドリアーノと、注目の選手目白押しのカードとなった。"古典ブラジル流サッカー"を展開する両チームは雨で水浸しのピッチでどういう試合運びをしたのか!?

<補足トリビア>
 この少し前にコチンチャンスのU−14はヴェルディのU−14と対戦しており、1−4で敗れている。また、ジーコ、ジョルジーニョ、レオナルドといった日本でも馴染みのあるプレーヤーを輩出したチームでもある。フラメンゴのアドリアーノはブラジルに戻ってから41試合31得点の活躍。「ジュリオ・セーザル」と名のつく選手はインテル、ベンフィカにもいる。コリンチャスというチーム名は「コリンシャンズ」(イングランドにあるフットボールクラブ)に由来している。また、コリンチャンスはクラブ創設100周年の年でもある。

「こんな状況でもブラジル人はテクニカルなサッカーをするのか!」
 まずこれが試合を見た第一の感想であった。水溜りでパスしたボールが止まるようなピッチコンディションの中、器用にパスをつなぎ、ドリブルで相手をかわすのである。もちろん、選手本人もやりやすい状況とは思ってないだろう。しかし、試合を見た限りでは、さほど苦しんでいるようにも見えなかった。
 
 戦術は主にサイドから中に切れ込んでいく攻め方が多かった。パスを多用するが、局面局面では個人技を駆使して打開、サイドバックは攻撃してナンボという具合である。その特色はフラメンゴの方が強く出ていて、しかし、チームとして方向性はしっかりと示してある印象である。両チームともFWには頭でもいける選手を揃えているが、基本的には足元の巧さを活かしたいようだ。

 37分にミシャエウが退場しているが、ここにもまた"ブラジル流"な理由が隠されている。この試合に限らず、ブラジルのプレーヤーは深いタックルをする傾向にあるのである。もちろん、ミシャエウがしたプレーはファウルであったが、全体的にしつこいくらいのチャージやボールに行った上での"かっさらう様な"スライディングが目立った。ファウルに関しては、世界各国や担当した主審の基準は曖昧で、国際試合でも度々議論になる問題である。特に、南米は厳しいタックルをしているように感じるが、要するに「厳しいチャージはチャージ、ちょっとしたファウルはファウル」なのである。主審のファウルへの基準をいち早く理解したチームが試合を優位に進めるのは、世界中どこでも共通なのである。得点シーンはPKであったが、そのPKを与えたモアシールのファウルは足先でチャージをした結果であった。
 
 前半25分頃にはロベルト・カルロスの顔にレーザーポインターがあてられ、試合が止まる事態が起こった。チームへの愛情がこういった形で表れてはいけない。

 注目であったロナウドは顔だけはヨーロッパで活躍していた頃のままであった。体型は丸々と太っていて、あたかもチャリティーマッチに出場している選手のようだ。しかし、一瞬のスピードと技術は健在。行動範囲も勿論「あの頃」のままである。
 この試合で目立っていたのはレオナルド・モウラである。サイドバックながら相手陣内のペナルティーエリア近くまでドリブルで持ち込む姿はまさに"ブラジル流"。それは決してただの個人プレーではなく、周りの選手が相手を引き付けてスペースを作り、彼のプレーエリアを作るという連携なのである。その様な積極的なドリブルが許される環境はブラジルの攻撃的サッカーを生む要因であるのだろう。

 
 ピッチコンディションが悪い中でも見所がたくさんあったこのカード。次は良い条件の中で見たい試合であった。もう一度やると結果が違うのがサッカーの面白いところであり、それを予想して話が膨らむのもまた、サッカーの面白さである。堅実な、しかし強いブラジルを作ったドゥンガはこの試合をどう見たのだろうか?

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