Lily*

□リア充、腐男子に恋をする。
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それは俗に言う一目惚れってやつだったと思う。



入学式の日だった。

そのたくさんの桃色の桜の舞う日、俺はある同学年と思われる男子生徒から視線がはずせなくなっていた。

桜の木の下で休んでいるらしい彼は、少し癖のある黒に紫や茶が混じった不思議な髪色をしていて、真面目そうに制服をきっちりと着こなし、左に分けられた前髪に緑色の目が少し隠されていた。

その姿を一目見たとたん心臓が高鳴り顔に熱が集った俺を、隣にいた友達は怪訝そうな顔つきをして覗き込んできた。


「どうしたんだ?銀時」

「・・・いや、なんでもない。」

ドキドキと心臓が煩かった。

でも、だ。
確かに、彼は俺の好みをドストライクしているが、男に惚れるほど溜まっている訳でもない。おちつけ、俺、これは一種の錯覚だ。幻想だ。新学期、高校入学で少し気持ちが舞っているだけだ。つい先ほどまで可愛い娘いないかなと探していたではないか。それでたまたま見つけてしまったたまたま美人な男子に心を奪われるとは何事だ。違う違う違う、俺は心を奪われてなんかいない。そう、ただちょっと、目に留まっただけだ。付き合いたいなんて、ましてや抱きたいなんて、これっぽっちも思っていない。

そう自分に言い聞かせ、不思議そうな顔をした土方に笑いかけようとした、そのときだった。


彼が、こっち側に顔を向けたのだ。

ふわり、と舞う桜のほのかに甘い香りとともに彼が振り向く。
彼は舞う桜に煩そうに目を細めながら、俺達二人を視界に入れたようだった。

俺は彼を見ているのに、彼とは視線が合わない。どうやら、俺と土方をセットで見ているようだ。


そして、彼が、


「―――ッ」


ふわり、と微笑んだ。






中学のころ、ある女子生徒が「愛に性別なんて関係ない」と言っていたことを思い出した。そのころはその意見をありえないと思って聞いていたが、今だったら、彼女に拍手喝采を浴びせただろう。


坂田銀時、高校一年の、春。



俺は男に恋してしまいました。























新しい制服の、かっちりした感じはあまり好きではない。

だからといって制服を入学式から着崩すなんてDQNやリア充のようなことをする勇気なんて生憎持ち合わせていない。

結果、俺はかっちりとした制服のボタンをすべて閉め、桜が舞う校門にいるのだ。
さきほど入学式が終わり、さっさと家に帰ろうとしたものの、校門の前でやたらと記念写真をとる人々の勢いが沈むまでと、人があまりいない桜の木の下で涼んでいたのだ。

はやく家に帰りパソコンしたい。

そんなことを思いながら。


しばらく桜の下でボーっと立っていたら、不意に視線を感じた。
特に何も考えず、視線を感じた方角に顔を向ける。






イケメン二人が立っていた。







一人はサラサラの黒髪の制服を少し着崩した男子生徒だ。目が少し釣り目気味で、いかにもツンデレっぽそうなかんじがした。もう一人のほうは、なにより目をひくその特徴的な目立つ銀色の髪。天パのようでくるくると好き勝手にはねているが、それが逆に顔のバランスを取れている。目の色は赤色。こっちは制服のボタンを全開けしている。いかにもリア充っぽそうなイケメン二人のコンビ。

腐男子としての血が騒ぐのは仕方ないことだろう。

瞬座にどっちが受けか決め、その妄想に浸る。
俺的に黒髪のほうが受けで、銀髪が攻めがいい。そっちのほうが、なんか、萌える。

妄想の世界に浸り、自然と口角が上がってしまった。

すると銀髪のほうが俺から目をそらし黒髪をひっぱりどこかへ言ってしまった。

それに喚起から叫びそうになるのを必死でこらえ、小さくガッツポーズをとる。







高杉晋助、高校一年の春。


とうぶん腐ネタには困らなそうです。








おわり












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紅花さま、
この度はわざわざリクエスト受けて下さりありがとうございましたたた!!

高杉くんかわいいなーとか
坂田くんうちの学校に転校してこないかなーとか

妄想は尽きません←

今後も宜しくお願いします、

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