暗殺部隊

□念願叶った日
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とうとうやった!

ボスが勝った。






リング戦に敗れて数ヶ月。どうしても諦められなかったザンザス率いる暗殺部隊ヴァリアーの面々は、日本にいる次期10代目沢田綱吉を待ち伏せしたのだ。


卑怯?

冗談じゃない。暗殺部隊に卑怯も糞もない。



とにかく勝った。

沢田綱吉が消えたとあってはボンゴレ上層部もザンザスのボンゴレ10代目就任を認めないわけにはいかなかった。


「良かったなぁ゛!ボス!」

ヴァリアー挙げての祝勝会。部下一同、浴びるように酒を振る舞われた。

スクアーロも呑んではいたが、酒がなくてもザンザスの勝利に酔っていた。出会った頃からのザンザスの野望が叶ったのだ。

ザンザスに仕える為に前剣帝を倒した時よりも嬉しい。


「おい、カス。こっちに来い。」


豪華なソファに座ったままザンザスはニヤリと笑い、顎でスクアーロを呼び寄せる。


「なんだぁ?」

その絶対に何か企んでいる笑顔を不審に思いながらも近づくと、髪を無造作につかまれた。

そのままぐいっと引っ張られ、ぐらりと体勢がくずれて天井が見えて、そこはザンザスの膝の上。


「何すんだぁっ!?」


部下達がたくさんいるこんな場で。
恥ずかしいことこの上ない。


「離せぇっ!!」


恥ずかしさに暴れるも、ぐっと腰をつかまれたままでは逃げだしたくても逃げられなかった。


ざくっ ざくっ ざくっ


妙な音がして。


どこに隠し持っていたのかハサミで髪を切られていた。

髪をつかんだところからざっくり切る為、銀色の束は何度も何度も膝や床に落ちた。

頭は軽くなれども、脳内はパニック。


「何すんだぁぁ!?」



「念願叶っただろ」


ああ。そうだ。

これはザンザスのこの日の為に伸ばしていたんだ。

あまりにも長い年月だったから忘れてた。


「てめぇ…まさか忘れてたんじゃねぇだろうな?」


やべぇ…


じろりと紅い瞳で睨まれ、動揺をごまかすかのようにスクアーロは思い切りザンザスに口づけをした。


スクアーロは勢いだけで軽くのつもりだったのに。

ザンザスは貪るように深くスクアーロを求め、周りがどよめいた。まるで海外ドラマのキスシーンのごとく。



酸欠寸前でやっと離され、体の力が抜けた状態で「ボス…俺も嬉しいぜ…」と伝えたならば。


また再び情熱的なキスが始まったのだった。








→あとがきっつーか言い訳つーか反省つーか…
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