暗殺部隊
□金髪のガキにしてやられた話
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俺のヴァリアー最年少入隊記録を更新して入ってきたのは、どこかの王子だったというイカレた金髪のガキだった。
本当に王子なんて人種いたんだな。絵本の中でだけ生きてんのかと思ってたぜぇ。
「ベル!!てめぇ、また学校サボリやがったなぁ!?あ゛ぁ!?」
「うるせー!なんで王子が学校になんか行かなくちゃいけねーんだよ!」
軽い身のこなしでピョンピョン跳ねながら走り、振り向きざまにナイフをしかけてくる。
なかなかいい筋してやがる。
…って、ふざけんなぁ゛!!
「王子、学校なんて行かなくても勉強くらいできるし。」
俺だって学校に行かなきゃいけない理由なんてわからねぇ。わからねぇけど、上層部からのお達しだ。
それと、コイツが学校をサボったことによりボスに殴られるのは俺だ。
全く意味がわからない。ベルを殴ればいいのに。
「ぜってー学校なんか行かねーし!」
こいつは家族を皆殺しにしたらしい。
殺戮が大好きな、すでに立派な殺し屋だ。
ベルがヴァリアーに入り、通い始めたのは俺やザンザスが通っていたマフィア関係のガキ達が集まる学校だ。
すでに色々と道を踏み外している暗殺者に学校に通えとは、ボンゴレ上層部は一体何を考えているんだか。もしかしたらアホ揃いなんじゃねーか?
「あ!ボスだー!ボースー!スクアーロがうざいー!」
やべぇ。ボスに殴られる。
ボスの後ろにベルが隠れて、殴られると身構えたけれども、ザンザスの手はベルの頭にポンと置かれたままで。
「おい、ベル。授業参観があるらしいな?」
ああ。そういえばそんな行事あったなぁ。俺は誰も来なかったけど、あの甘やかされの跳ね馬はなんだかゾロゾロと部下が来てたっけ。
ザンザスは誰が来てたんだ?
「え?ボスなんで知ってるの?来てくれるの?」
オイ。態度がえらく違ぇじゃねーか。
「あぁ。行ってやる。」
「本当に!?」
マジか。
ちょっとベルに甘すぎねぇか?
これは断じて嫉妬じゃねぇぞ。
「じゃあさー、ボス?スクアーロも連れてきて?」
は?
「2人で来てよ!2人も行ってた学校なんでしょ?」