捧げ物

□雪月の双竜
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ある冬の日のこと


あの悲劇の日から数日が経過していた。


伊達軍は致命傷を負いながらも生き残っていた者を奥州へ連れ帰り戦力を立て直した。



今、この状態で敵に攻め込まれることを警戒し、


甲斐の虎、武田信玄と同盟を組んだ。



背に腹は代えられぬ・・・ということだ。








「政宗様、失礼いたします」




「Ah・・・ok。」




そんな中。


一つ、誰にも知られちゃならねぇことがあった。





「小十郎・・・だよな?」



「はい、小十郎でございまする」




「Ha!うかない声だな。どうした?」




「いえ。大した事はありませぬ。・・・それより、政宗様の目は・・」



「Stop.・・・今言っちゃぁバレるぜ?Are you ok?」



「・・・・・・はっ・・・しかし、今は政宗様の御身が大事。」




「・・・・・・フッ、俺は平気だ。完璧に見えねえってわけじゃねぇ・・・微かに見えてるんだぜ?」




「・・・自分の御身体は大事になさいませ」






そう、政宗はあの後敵兵の残党・・・



死に損なった雑兵の不意の一撃で目に傷を負った。



タダでさえ片方しかない目に・・・




それから手当てをしたが日に日に視力は弱まっていく。






「・・・・あんま、自分を責めるなよ?小十郎・・・」




「はっ・・・、・・・?」




「おめぇが守るのは俺の『背』だろ?
今回の俺のこの傷は自身の落度なんだから、な。You see?」




「政宗様・・・」





「平気だ・・・俺は・・・お前さえ居てくれりゃいい。」

















     失ったモノ≠得るモノ



         でも



     失ったモノ≦得るモノ





    には、なりえることもある。













    大切なモノを失った貴方は


    絶望に打ちひしがれますか?


        それとも






   新たな希望を見つけれますか?







         -END-
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