小説

□悲しみの果て
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「楽也!」
「条介!」

2人で手をつないで歩いた。

今は戦争時代と呼ばれる時代。
俺たち子どもでも容赦なく戦場につれていかれたり、こき使われたりする。


楽也は俺の彼女。
そして、結構金持ちだった家の娘。

だから、外国の野郎どもに狙われている。


おれが・・・まもってやらねぇといけないんだ。



「楽也、大丈夫か・・・?」
「うん、大丈夫。」


いつも外国の野郎どもから逃げ回ってる俺らはもうへとへと。
みんなはもう死んだと思ってるくらいだろう。



「辛くないか?」
「ん、大丈夫・・・。」



2人で歩いていく。
先は見えない煙の中に。


すると、がさがさっと音がした。


「?!」

「おーっと、にがしゃしねーぜお壌ちゃん。」



楽也の腕をつかんだ金髪の大男。
外国の兵だろう。



「い、イヤだ!」
「おとなしくしろ!」
「楽也!!
お前!離せよ!」


俺が飛びかかろうとすると後ろから押さえつけられた。

「なっ!」
「お前もおとなしくしてろよ!」
「くそっ、くそぉっ!!」
「条介!条介!」
「離せっ!はなせよぉっ!!」


「ちっ、こいつ・・・うるせぇな・・・。」



「っ・・・!!」


頭が鈍器のようなもので叩かれた。

目の前が霞む。
楽也の顔が・・・薄れていく・・・。


「!!条介ーっ!!!」


ばたばたと暴れる楽也。




楽也が、話しかけてくる。

何を言ってるかなんて、分からない。



そして

最後に見えたのは




真っ赤に染まった楽也の涙と笑顔だった。






条介END



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