読書処

□こんな日も…また・・
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狭い室内は、煙草の紫煙の煙で白く濁った空気で満ちていた。
煙の発信源である三蔵は、眉間に深い皺を刻み不機嫌丸出しの表情で、椅子に深々と座り足を組み、まだかっとドアを睨み付けている。
三蔵一行が街についたのはまだ日も高い昼過ぎのことだった。
そのため、街には物資の補充のために寄ったのだが、寄った街が悪かった。
街に入り、買い物をする中、街の住人に『三蔵法師一行』と騒がれあれよあれよと言ううちに、町長の家へと案内され豪勢な食事に酒、といたせりつくせりの待遇を受けてしまった。
無論、三蔵は不機嫌極まりない表情で全て断ろうとしたのだがそこは悟空と悟浄のコンビ。
旨い料理に酒とくれば黙っていない。
早々に三蔵の口を塞ぎ料理に酒と持ってこさせてはその胃袋へと押し込めていった。
たまには…と八戒までも一緒になって。
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