裏

□好きなのは・・・2
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「たっだいまぁーっ」ばぁんっと勢い良くドアが開き、両手いっぱいに荷物を抱えた猿…もとい悟空が戻って来たのは悟浄が浴室に消えてすぐの事だった。「ただいま…っと悟浄?」
悟空に続いて、これまた両手に荷物を抱えた八戒が部屋に入るや否や、悟浄の姿がないことに気付きその名を呟く。
「あいつなら風呂だ。」
少しめんどくさそうに答える三蔵。
その答えに八戒の顔色が一瞬、ほんの一瞬変わる。
「風呂ぉ?んだよ!飯だってのにぃっ」
思い切り、不機嫌そうに悟空が声を出せば荷物を片付けた八戒が言葉を掛ける。
「悟空、三蔵と先に行っていてください。僕は悟浄と後から行きますから。いいですね?三蔵」
伺うような口調。だがどこか威圧感がある。「ちっ。いくぞバカ猿」
嫌そうに舌打ちし、深々と腰を掛けていたイスから立ち上がる三蔵。それを喜ぶ悟空。
その二人が部屋を出るのを待ってから八戒は水音のする浴室へと向かった。
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