サイト交流企画

□【刀の下に心を置く者】 『かんてん』の潮江文次郎さん
3ページ/6ページ



【・・・・・

団蔵
「あっ、神崎先輩。
 四年の時の潮江先輩は、人前に滅多に現れない会計委員長の世話につきっきりで、実質委員長代理だったみたいだそうですけど、これ本当ですか?」 

左門
「本当だぞ。
 当時の会計委員長はかなりの人嫌いで、予算会議の時しか委員会活動に来て下さらなかったからな!
 因みに僕は一度もお会いしたことがない!」 

左吉
「人嫌いって、それ忍者としてどうかと思います」 

左門
「僕もそう思ったけど、潮江先輩は『あの人達はそういう人達だから仕方ない』といって殆ど諦めていた。
 ものすごく苦労されていたぞ」 

団蔵
「(あの潮江先輩にそこまで思わせるなんて……)」 

・・・・・】


A団蔵
「へぇ…『幼馴染な俺等』の潮江先輩は四年生の時から委員長代理をしてたんだ」

A左吉
「これはオリジナルキャラ要素。
 ここのサイトの戸隠先輩達の様に原作にはない人間関係ですね」

A文次郎
「あぁ、こういった原作にない要素が二次創作の醍醐味であり、それぞれの作品の特徴になると言えるだろう。
 『かんてん』の作品世界は『夢』より『二次創作』に重点が置かれていると感じるな」

A左吉
「はい、夢主さんが直接関与しない事柄にも力を注がれて書かれているという事ですね」

A団蔵
「そう言えば戸隠先輩も夢小説の夢主と言うより二次創作でのオリキャラのイメージが強いよなぁ」

A左吉
「『オリキャラのイメージが強い』どころじゃない。
 元より名前変換がないキャラは夢主とは呼ばないし、名前変換がない小説は夢小説じゃないんだよ。
 だから戸隠先輩は夢小説のキャラとしてはアウトなんだ」

A団蔵
「そうなの!?」

A文次郎
「そうだな。
 あいつは夢小説のヒロインには向かねぇ。
 その分、二次創作としてここのサイト独自の世界観を広げる役割を担う事は出来る。
 『戸隠の里』という忍者組織があるという設定は、戸隠カスミというキャラを作ったからこそ生まれた。
 夢主でもその役割は担えるが、その場合『個性派の夢主です』と注意書きが必要になる」

A団蔵
「えぇ!?
 出身地の設定だけでも注意書きが必要なんですか?」

A文次郎
「場合によってはな。
 ただ出身地の設定だけで終われば特に問題はねぇのかもしれんが、山奥の里でイノシシや熊相手に修行をしてたとか、山育ちだからか足が立たない深さの水辺では泳げないとか、閉鎖的な里に学校を設立するために忍術学園に『先生』になるための勉強も兼ねて入学したとか、そこから特殊な設定が付け足されていくと夢主としては難しい立ち位置になる。
 好きに二次創作するのなら『当サイト独自のオリキャラです』と割り切った方が自由に設定を考えられて何かと都合がいいんだろうよ」

A団蔵
「へぇ…って、潮江先輩、何のかの言って戸隠先輩の事に詳しいですね」

A左吉
「そういう話をされているん―」

A文次郎
「それはさて置き、ビデオレターの続きだ」

A団蔵・左吉
『…………』


【・・・・・

左門
「五年生の潮江先輩については、なんて書かれていたんだ?」 

左吉
「委員長代理になって、ギンギンに鍛錬していたとありました。
 ただ一つ気になる個所があって……」 

左門
「なんだ?」 

左吉
「潮江先輩が冬の長期休みに髪を短く切った、とあるんです」 

左門
「……そういえば冬頃だったな、先輩が今の髪型にしたのは。
 それまではずっと長髪だった」 

団蔵
「えっ、長髪……?
 潮江先輩なら『鍛錬の邪魔だ』って切りそうですけど」 

左門
「うん。
 でも当時の潮江先輩は、絶対に髪を切ろうとはなさらなかった。
 よく分からないけど、理由があって伸ばしていたんだと思う」 

団蔵
「きっ、聞きたい……!
 どんな理由だったのか知りたい!」 

左吉
「止めとけ、団蔵。
 知られたくない理由だったらどうするんだ」 

団蔵
「ううっ……!
 でもっ!」 

左吉
「団蔵我儘言うなよ。
 神崎先輩、つまり潮江先輩は三年生の頃からギンギンにしていた、でいいんですよね?」 

左門
「そうなるな!」 

・・・・・】


A団蔵
「潮江先輩、以前は髪が長かったんですか?」

A文次郎
「だ〜か〜ら〜っ!俺に聞くなっての!
 この話はサイト『かんてん』の潮江文次郎の事であって、同じ『潮江文次郎』でも俺は何も知らねぇんだって」

A団蔵
「いえ、それはもう解っていますよ。
 ただ、ここの潮江先輩も以前は髪が長かったのかな?って、ちょっと気になったんです」

A文次郎
「む、むぅ…そうか」

A左吉
「どうなんですか?
 以前は今と雰囲気が違っていたりしたのでしょうか?」

A文次郎
「いや、ここのサイトに関してはキャラの髪型などは年齢操作してもさほど変わらないというスタンスだろう」

A団蔵
「それじゃ、潮江先輩はずっと髷は短めだったんですか?」

A文次郎
「あぁ」

A左吉
「『幼馴染な俺等』の潮江先輩が髪を伸ばしていた理由も気になりますが、こっちの潮江先輩がずっと短い髷に拘っていた理由も気になります。
 どうしてずっと短いままだったんですか?」

A文次郎
「いや、拘りがあった訳じゃねぇよ。
 ただ、ここの管理人がへたに髪型を変えるとキャラの描き分けができないってだけだ」

A団蔵
「……そ、そうですか…」

A左吉
「…なんて情けない理由…」


【・・・・・

左吉
「後は田村先輩なんですけど……」 

三木ヱ門
「(ギクッ)」 

団蔵
「あれ? 
 田村先輩、なんで黙ったままなんですか?」 

左門
「早く教えてください、時間もないですし!」 

三木ヱ門
「ああ、うん、そう、だよな……」 

団蔵
「先輩、冷や汗かいていますけど、どうかしましたか?」 

左吉
「今更潮江先輩のお怒りが怖くなったんですか?」 

三木ヱ門
「いや、そうじゃない。
 同室の立花先輩が休日になると生活力が皆無になるから、朝起こしたり顔洗わせたり食堂に連れて行ったり布団畳んだり洗濯したり部屋の掃除を一手に引き受けていたりとか、立花先輩の悪戯に耐えられるのは潮江先輩しかいなくて教師から生贄同然に思われていたとか、善法寺先輩の不運による二次被害をよく被っていたとか、七松先輩と中在家先輩に引きずられて裏山を駆けまわされていたとか、食満先輩や一学年上の先輩方に虐められていたとか、先輩や先生たちから『忍者の才能はない』って思われていたとか、そんなことをよそ様に暴露して怒られないか心配だなんて思っていないからな!」

下級生ズ
「田村先輩、暴露しちゃっていますよ」 

・・・・・】


A団蔵
「…意外ですね」

A文次郎
「あぁ…これは俺も意外に思った」

A左吉
「立花先輩って、私生活もものすごくきちんとしていそうなのに…」

A文次郎
「一応言っておくが、ここの仙蔵は左吉が言うように何事も完璧が基本だ。
 詳しく話を聞いたことはないが、あいつは躾に厳しい家庭で育ったらしくてな、生活力が無いどころじゃない。
 休みの日だろうが何だろうが生活ペースを絶対に乱さねぇし、他人の生活態度や生活習慣にも口うるさい奴だ」

A左吉
「…潮江先輩も、口うるさく言われたことがあるんですか?」

A文次郎
「…………」(汗)

A団蔵
「あー、黙ってるって事は、何か言われた事があるんですね!?
 部屋の掃除をしろとか、汚れた洗濯物を溜め込むなとか!」

A左吉
「それはお前が仲間から言われてる事だろ。
 潮江先輩はそんな事……」

A文次郎
「……………」(汗々)

A左吉
「…あるんですか?」

A文次郎
「あ…いや、部屋の掃除はやっているぞ。
 そもそも、掃除に邪魔になるような私物はほとんどないからな。
 ただ…洗濯は……どうも苦手でな」

A団蔵
「解ります!
 毎日洗濯するのは面倒ですよね!
 どうせやるなら休みの日にいっぺんにって思いますよね!!」

A文次郎
「あぁ、どうせやるならまとめて洗った方が効率がいいと思うんだよ」

A団蔵
「ですよね!ですよね!!
 オレ達、仲間ですね!!」(勝手に仲間意識を高める団蔵)

A左吉
「…………。
(僕は絶対に洗濯物を溜め込まないぞ…ギンギン脳筋委員長にはならない)」

A文次郎
「左吉、どうかしたか?」

A団蔵
「何だよ?
 変な顔してオレと潮江先輩を見て…」

A左吉
「あ、いや、その!
 ほ、他の部分はどうなんですか?
 『幼馴染な俺等』の潮江先輩と共通・共感するところはあるのでしょうか?」(汗)

A文次郎
「他にか…仙蔵がああ見えて悪戯好きな所がある事や、伊作が不運なのはこっちも同じだったな…いや、今も同じだ」

A団蔵
「え、立花先輩って悪戯好きなんですか?」

A左吉
「そういう事には興味もなさそうなのに…むしろ、悪戯や悪ふざけするクラスメイトを注意する委員長タイプに見えるのに」

A文次郎
「だからだ。
 この学園の『学級委員長』を思い浮かべてみろ」

A団蔵
「………なるほど、納得しました」

A左吉
「……彦四郎は真面目だけど、その先輩達の話はいろいろ聞くからなぁ」

A文次郎
「で、伊作については何かコメントはあるか?」

A団蔵
「いえ、善法寺先輩についてはすべて納得です」

A左吉
「不運の集まる保健委員を六年間務められた…これは公式の設定ですからね」

A団蔵
「あ、その他の先輩達とはどんな感じだったんですか?
 『幼馴染な俺等』の潮江先輩は振り回されたりイジメられたりしていたとありますが…」

A文次郎
「振り回されはしなかったが………」

A団蔵
「…な、何かあったんですか?」

A左吉
「まさか…こっちの潮江先輩もイジメられてたとか…」

A文次郎
「バカタレ!
 俺が喧嘩で一方的に負けて黙ってるわけねぇだろ。
 留三郎の奴とは一年の頃から喧嘩ばっかしてきたが、やられっぱなしじゃなかった。
 負けたら次は勝つ!
 勝ったら次も勝つ!
 そういう気持ちであいつとは渡り合ってきた」

A団蔵
「さすが潮江先輩!」

A左吉
「では、ろ組の先輩方と何かあったんですか?」

A文次郎
「いや…何かと言うか……他の奴らには言うなよ」

A団蔵
「はい!言いません」

A左吉
「は、はい」

A文次郎
「ろ組の小平太と長次に対しては、昔から対抗意識みたいなものがあったな。
 今でこそあいつらは周りから高く評価されてるが、一年時は目立たない…むしろ周りからバカにされている感じだった。
 ただ単に自分の能力をひけらかさないってだけだったんだがな」

A団蔵
「へぇ…なんか意外です」

A左吉
「いや、でも解る気がする。
 今の一年ろ組の連中も引っ込んでるだけで成績が悪い訳じゃないだろ?
 座学だけだったら怪士丸は学年トップ5に入ってる」

A団蔵
「そうなんだ」

A左吉
「そうだよ…って、こういう話を先生から聞いたりしないのか?
 お前達は組の庄左エ門だってトップ5に入ってるぞ」

A団蔵
「ぜ〜んぜん聞かない、知らなかった。
 そうか…庄左エ門はクラスだけでなく学年の中でも優秀なんだ」

A左吉
「全く…これだからアホのは組は。
 あ、ちなみに、学年主席はこの僕だ」

A団蔵
「…嫌味な奴…って、今は左吉の自慢話を聞いてる場合じゃないんだよ。
 潮江先輩、続きをお願いします」

A文次郎
「むっ…とにかく、小平太も長次も下級生の頃は目立って優秀な奴じゃなかった。
 その分、あいつらは陰で努力するタイプでな。
 周りの奴が自分はできると己惚れてたり、どうせ頑張っても無駄だと諦めて怠けている中、毎日のように自主勉強や自主練に励んでいた」

A団蔵・左吉
『うっ……』(汗)

A文次郎
「ん?
 どうした?」

A団蔵
「い、いえ…何か耳が痛かったと言うか…」

A左吉
「き、気にせず続きをどうぞ」

A文次郎
「うむ…まぁ、そんなあいつらの姿に刺激を受けてな。
 俺も負けられないと、それまで以上に鍛錬に励むようになった。
 正直、俺も出来がいい子供じゃなかったからな」

A団蔵
「えぇぇぇぇっ!!
 そうなんですか!!?」

A左吉
「潮江先輩は一年の頃から優秀だったのだと思っていましたが…」

A文次郎
「そんな事はないぞ。
 考えてみろ…鍛錬バカと称されるって事は、それだけの努力してようやく仲間と肩を並べられるって事だ。
 ろ組の二人だけじゃなく仙蔵や伊作や留三郎だって陰ながら努力をしてきたから、今の評価がある。
 俺があいつらに追いつくには、その倍以上鍛錬が必要だった。
 …悔しいがな、もって生まれた才能ってのはある者と無い者の間に大きな差を作る…それを埋めるのは努力しかない」

A団蔵・左吉
『…………』

A文次郎
「あー…念を押すが、今の話は誰にも言うなよ」

A団蔵
「あ、はい!」

A左吉
「言いません。
 約束します」

A団蔵
(やっぱり潮江先輩はすごい!
 オレ、勉強はダメだって自分でも諦めてたけど、これからは頑張るぞ!!)

A左吉
(学年主席だからって己惚れてちゃだめだ。
 ろ組にもは組にもライバルはいるんだから、今まで以上に頑張って六年生までこの成績をキープするぞ) 



次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ