*サクラ花火*
□序章
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いつだって頑張って生きてきた。
いい点取らなきゃ。
好き嫌いなく食べなきゃ。
いつだって笑ってなくちゃ。
"いい子"でいなくちゃ…。
そうやって生きてきて
もう20年が経っていた。
やりたいことも
生きてる意味も
自分自身さえも
気がついたら分からなくなってた。
誰のせいでもない。
私のせい。
人の言う通りに生きてきた自分のせい。
みんなに嫌われたくなくて
自分を殺し続けた自分のせい。
だから人生の最後くらい、自分の意思で幕を下ろした。
居場所のないこの大嫌いな都会を抜け出すために。
そしてこの大嫌いな自分を消すために……。
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