*サクラ花火*
□始まりの終わり
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『ん…。』
『…空…?』
ー…ガバッ!!!!
(し…死ねなかったんだ…。あんなに高いビルから飛び降りたのになんで…)
『!?』
ついさっき自分は東京のビルの屋上から飛び降りたはずだった。だが周りには血の跡も無く、身体には傷一つさえ見当たらない。
体を起こした桜は、キョロキョロと周りを見渡して更に驚いた。
周囲にはビルどころか街もなにもなく、近くにあるものといえば山と川と小さな古い家だけだったのだ。
(もしかして…これが天国…なの…?)
てっきり天国は雲の上、というイメージだったけれど、よく考えればあれは勝手な想像。
桜は混乱した頭で必死にその答えを導き出すと、納得したようにそうかと頷いた。
『そうか…きっとここ…てんご……』
…―ガシャン!!!!
『へ…?』
「待てコラァァァァァ!!!!!!」
『えっ!!!!!?』
(違う‼じ…地獄の間違いだ!!!そうだ、自殺した人間が天国なんて行けるわけない…!!)
遥か後方からなぜか自分の方目掛けて飛んできている三味線と思われる物体、それに次いで現れた恐ろしい顔の男。
桜はここは地獄なんだと冷静に考えながら、
鬼の形相の男を前に桜はあっさり気を失ってしまっていたのだった。
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