*サクラ花火*
□始まりの終わり
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ー…バンッ‼‼
「だいたいさ、確認してから怒りなよ!!だいたい一は短気すぎるし!!!だいったい三味線は人を殴ったり人に投げつけるものじゃなーーーーいっ!!!!」
「…あーはいはい。」
「分かってんの!?」
「"だいたい"は…笑」
「ふざけてんじゃなーーい!!!!!!!」
『…あ…あの…。』
ギャーギャーと何やら騒がしい声で目が覚めた桜は、ズキズキと痛む頭をおさえながら、目の前の男達に恐る恐る話しかけた。
起き上がった桜に振り返った二人の男に桜はペコリと頭を下げた。
『あの…ここは…?』
「私の家です。先に謝らせてください。本当に申し訳ありませんでした。間違いとはいえ、あいつが失礼な事を…。」
『あ、いえ…気になさらないで下さい…!!』
そう言うと、目の下に傷のある優しそうな男は桜に深々と頭を下げた。
桜はそれにつられてまた頭を下げると、優しそうなその男は少し笑顔を見せた。
「頭を打って気を失っていたので連れてきてしまいました。診察した限りでは大丈夫そうなので、安心して下さい。」
『そう…なんですね、色々とありがとうございます…‼』
「一、お前はまず謝れ。」
男がそう言って後方にいたもう一人の短髪の男に睨むような目線を送ると、その男は謝るどころかニヤッと笑って桜に近づいた。
「なあ、お礼と言っちゃなんだけど、今晩お相手しましょーか?」
『…はい!?』
「い〜ち〜!!!!!!普通に謝れっ!!!!!!!!」
「ははは!!気が向いたらいつでも来てくれよな〜。」
そう言うとその男はケタケタと笑いながら部屋から逃げるように出ていった。
男はその様子にハアとため息をつくと、また桜の前に居直り更に申し訳になさそうに頭を下げた。
「本当にすみません…どーしようもないやつで…。
あ、紹介が遅れました。私は才原総助(サイハラ ソウスケ)と申します。さっきのは高砂一(タカスナ イチ)。」
『わ…私は藤堂桜と申します!!本当にご迷惑をおかけしました…。あの…突然ですが…ここは日本ですか?』
「??はい。もちろん。」
さっきから日本語が通じる。
家の雰囲気も日本だ。
ここが恐らく日本だろうという事は気づいていた。
でも、目の前の総助というこの人は着物に刀…これは…
(映画村…?)
桜は痛む頭でひねり出した答えに頭を傾けると、不思議そうにこの状況を考え始めた。
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