*サクラ花火*
□涛次郎の恋
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あれから一と総助と共に生活をすることになった桜は、毎日家事に追われていた。
『ふう…やっと片付け終わった…。』
―…ガラッ
『おーい。一はおるかの〜?』
「涛次郎さん!!」
「おう!!桜!!元気そうじゃのう。一を見んかったか?」
勢い良く扉を開けて現れた彼は、酒井涛次郎(サカイ トウジロウ)さんといって二人の仲間の一人で、
最近なにやらしょっちゅう高砂さんを呼びに現れている。
『高砂さんなら出掛けられましたよ?』
「なんじゃー!!あいつはー!!わしゃ一人じゃ勇気がないぜよーっ!!」
『…高砂さんといっつもどこに行ってるんですか?』
「女子には言えんようなとこじゃき〜…」
『ええっ?!』
桜が驚いたような声を上げると、桜の背後からハアと溜め息と共に聞き慣れた声が響いた。
「女遊びするのにこんなうるさいのと行くかよ。」
『高砂さん…!!』
桜が後ろを振り向くと、そこには外出から帰った一がめんどくさそうに立っていた。
「お前な、人に面倒事頼んどいてよく言うわ。」
『面倒事?』
「恋愛相談。」
『えええ!?どういう…』
「そうだ。こいつ連れてけよ、涛次郎。」
『へ!?』
それを聞いて涛次郎は桜をじっと見てはひらめいたように言った。
「桜をか?!そいつはいいかもしれん!!桜!!ついて来てくれるな!!」
『ちょっと…!!まず説明をして下さいっ!!!!』
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