*サクラ花火*

□命の重さ(後編)
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―ドガシャーン!!!!!






「うん、勢い余っちまったな。」


「おまん城の門……殺されるき〜…!!!!」




「貴様ら一体何者だ!!!!」




一達が突っ込んだ門から、次々と見張りの兵が現れ、事態を聞きつけた家臣達が武器を構えた。

だが一はそれにもひるまずにその場にいた家臣たちに訴えかけた。






「急病人がいる!!頼む、医者を一人でいい、返してくれ!!」




「医師はみな城の者の治療にあたっておる!!こちらも手が足りぬのだ。」


「そうだとしても町中の医者ごっそり連れてくこたねーだろ。つべこべ言わず返せ!!!!」





「なんという無礼な…!!もうすぐ上様がご上洛なされるのだ!!上様がご病気になられたらどうする!?それぞ一大事ぞ!!!!」




「てめぇ…。」





将軍の家臣たちの心無い一言に、一が切れかかりそうになっていると、

先にそれまで黙っていた涛次郎の怒りが頂点に達した。





「民の一人も守れんで何が幕府じゃ!!!!!

将軍も、おまんらもわしも、そして楓も!!命の重さは同じじゃないんか!!将軍らだけが助かればいいなんて本当におまんら幕府が思うとるなら、そんな幕府…」




「わしが潰す!!!!!!!!」





ー…ザワッ…!!



「な…こやつら…!!」



「…あーあ、堂々と倒幕宣言しちゃったよ。やりにくいったらねえわ。」

「知るか!!!!」





息巻いてそう返事をした涛次郎に一は散々大笑いした後、

その場にいた家臣達を睨み付けながら刀を構えた。






「上等、強行突破だ。」


「望むところじゃ。」











城の守りの兵数百人対たった二人。

まともに戦っても勝ち目はないと分かっていた一は、兵たちをある程度蹴散らすと、強引に城の中に馬を走らせた。







「医者を返せ!!!誰か聞こえねーのか!!?」




(総助…!!この騒ぎに気づけ…!!)






心の中でそう祈りながら、一は総助に聞こえるよう大声で叫び続けた。

だが兵の放った矢が一の肩に突き刺さり、一は馬から落下した。




「っ…!!くそっ…!!」


「馬から離れたぞ!!今だ、かかれっ!!」





落馬した衝撃と肩の矢が邪魔をして一は思うように体が動かずにいた。

そんな一を前に兵の一人がそう叫んだ瞬間、何人もの兵が一めがけて刀を降り下ろした。








「一っっ!!!!!!!!」


「……!!!!」







―ガキィン!!!!








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