*サクラ花火*
□総助の十字架
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「あなたはどちら様ですか?」
春就はニッコリ笑いながら桜に尋ねた。
『あ…私は…総助さんの友人で桜といいます!!…あなたを探していたんです!!』
「ほう。総助が。懐かしい名前です。」
『今、総助さん逹とはぐれちゃって…』
「あれですかね?」
『え?』
春就が指差す方を振り向くと、そこには子供を追いかける一と総助がいた。
「うぁぁん!!才原先生〜!!!!」
「待て!!クソガキ!!」
―…ベシッ!!!!
「相変わらずですね。高砂家の次男坊ですか。」
少年は春就の後ろに隠れ、春就は一を小突いた。
「春就…!!」
「兄さん…―。」
春就は二人を見てニッコリ笑うと少年を連れ、全力疾走で逃げ出した。
『えっ…えええ!???』
「ちっ!!油断した!!待てコラ!!」
そう言うと、一も走りだし、春就に三味線をぶん投げた。
―…ガシャーン!!!!!
一の投げた三味線は春就に見事ヒットし、春就はその場に倒れた。
「あいたた…一…昔からいってるでしょ…三味線は人様に投げるものじゃないって…。」
「相変わらず口うるせぇな。総助もお前によく似てきたよ。」
「そうですか…」と言うと、春就はそのまま気を失った。
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