*サクラ花火*

□新たな一歩
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―…ガヤガヤ…





「……。」


「まだ怒ってるの?」




昨日の夜から一の機嫌は直らず、一が不機嫌なまま、三人は記念式典の偵察に来ていた。




「俺はあっち見てくる。」



「…。」

(すねてる…。)





『総助さん…高砂さんは…?』


「うん、ほっとけばいいよ。」





そうして三人の足並みが揃わないまま、式典は進んでいった。

しかし奉行所の役人はやはり現れず、春就の姿も見当たらなかった。





「桜さんは先に戻っていてもいいですよ?俺ら二人はまだ最後まで見張りますので…。」



『あ…はい!!じゃあ…晩御飯作って待ってますね。』


「はい!!お願いします。」





総助がそう言って笑うと、桜は宿へと向かった。





だが総助が桜を見送った直後、とうとう事件は起こってしまった。






(さて…いいかげん一をこっちに連れ戻そう…。)




「ん…?」








.......................









『は…離してくださいっ!!』



「この女か、先日才原春就と一緒にいたというのは。」

「そのようです。」



「才原を捕まえるのは急務だ。この女を連行後、尋問だ。そいつらと一緒にな」





『!!!』




突然見知らぬ男達に捕らえられた桜は、必死に逃げようと抵抗を続けていた。




桜の目の前には奉行所の騙し討ちにあい、すでに捕らえられていた大勢の隠れキリシタン達がいた。

奉行所は認めるフリだけをして、隠れキリシタンが現れるのを隠れて待っていたのだった。






(春就さんはいない…早く私も逃げなきゃ…!!)





桜はなんとかその場から逃れようと役人の手を振り払おうとした。




「この女…!!おとなしくしろ!!」

『やっ…!!』





そして、逃げようとする桜に役人は手を振り上げた。






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