*サクラ花火*

□池田屋事件
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「一さーん!!総助さーん!!桜さぁぁん!!!!おかえりなさぁい!!」







数ヵ月の船旅を経て、長崎から京に戻って来た一達を出迎えたのは以外な人物だった。







「小忠太?!!」



「楢崎さんも!!いつから京に来てたんですか!!」





「三日前に着いたばかりだ。こっちで維新派の会合を行う事になっていてな。」


「…で、なんでコイツまで連れて来ちゃったんだよ。」




そう言うと、一は面倒くさそうに小忠太を見た。





「俺の野望達成の為に楢崎さんが連れてきてくれたんッスよ!!」



「何だよ野望って。」


「新政府のトップに決まってるじゃないすか!!!」




「……。」



「……小忠太、それならまず喋り方直した方がいいと思うよ。」



「総助さんまでひどいッスよ〜!!」




「まあなんにせよ若い力がこれからを引っ張っていくのは間違いないからな。社会勉強にだな。」



「はいッス!!楢崎さん!!」





活き活きと話す小忠太を見ながら、桜も笑みがこぼれた。








(初代内閣総理大臣…てことだよね…名前…谷だったっけかなぁ…)






桜は、ふと歴史の授業を思い出してみたが、夢がないのでやめておいた。






「会合は今日の夜ですか?場所は?」



「池田屋だ。お前らも一緒に行かないか。」



「一が会合なんて出ると本当に思ってます?俺は一のお守りはもう嫌ですからね。」






「ははは!!それもそうだ!!」

「どういう意味だ!!コラ!!」



「あははは…!!!!」









―…ドクン…





『……。』






なんだろう…この引っ掛かる感じ…。








何か…思い出さなきゃいけない気がする……。








何…??この…嫌な感じ……一体……





























.......................








「考え直してはもらえないのか。」





「長門…。」





「理由も聞かず、どんな人物かも知らず有無を言わさず粛清。これでは我らはただの人殺し集団ではないか!!!!」




「長門、相手は倒幕をもくろむ奴等だ。すでに罪人なのだ。何を聞く必要があるというのだ!!」




「貴様ら…人を何だと思っている…!!」




「長門!!いい加減にしないと、お前が切腹だぞ。」








「……!!!」











時代をとりまく雲は








ゆっくりとゆっくりとたくさんの想いをのせ










次第に暗雲へと…変わっていっていたのだった。





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