*サクラ花火*
□池田屋事件
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―…トントントン
「桜。」
『……。』
「桜。」
『……。』
「…胸揉むぞコラ!!!!!」
『ええええっ!?たっ…高砂さん?!』
「何ボーッとしてんだよ。野菜、とっくに切り終わってんぞ。」
『あ…。ホントだ…。』
「どうしたんだよ?」
『あ…いや…。』
あれからずっと胸騒ぎが収まらない…。
何か大事な事を……。
大事な事を忘れてる気がする…―。
「もうそろそろ会合の時間だな。楢崎さんは遅れるらしいから小忠太一人で行ってるけど、池田屋まで辿り着けてんのかアイツ?」
(池田屋……?)
『池田屋!!!!!』
「なっ…いきなり何だお前は!!」
『たっ…高砂さん!!今すぐ小忠太さんと楢崎さんを止めないと!!!』
「はあ?お前何言って…。」
『いいから早く!!』
「一!!!」
桜が慌てふためいていると、総助が走り込んできた。
「新撰組の様子がおかしい!!もしかしたら…会合の事が漏れてるかもしれない…!!」
「なんだと!?」
(―…やっぱり!!!池田屋事件……攘夷浪士が新撰組に大量捕縛された事件…!!なんでもっと早く思い出さなかったんだろう…!!)
「京に帰ってきてゆっくりする暇もねぇな…。…とりあえず池田屋に向かうとするか。」
「ああ。急ごう。」
そう言うと三人は池田屋へと、急いで向かった。
.......................
―…ガシャーン!!!!!!
「御用改めである!!攘夷浪士ども、お縄につけ!!!!」
「し…新撰組だーっ!!!」
「逃げろっっ!!!」
「えっ…新…撰組…!?」
楢崎より先に池田屋に到着していた小忠太は、新撰組の押し入りに案の定巻き込まれていた。
「早く逃げろっっ!!!!!」
キィン!!!!!―ガキィン!!!!!
「ぐわっ!!!助け………」
「うあああ!!!」
―…グシャッ………
「………!!!!!」
飛び散る血飛沫に血の臭い。
池田屋内はあっという間に地獄と化した。
始めから臨戦態勢の新撰組に対し、攘夷浪士達は刀こそ持ってはいるものの、ほぼ奇襲を受けた状態で、みな防戦一方だった。
(俺も…俺も逃げなきゃ…殺られる!!!!)
その場を離れようとした小忠太だったが、あまりの惨状に足がすくんでしまっていた。
「早く…逃げ…!!!」
―………ザシュッッ!!!!!!!!
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