*サクラ花火*

□池田屋事件
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―…ポタ…ポタッ……


「うっ……!!!」




背後から襲われた小忠太の背中は、ざっくりと斬れ、真っ赤に染まっていた。



「痛ぇ……!!!」



(戦わなきゃ…殺られる…!!)



フラフラになりながらも刀を構え、敵に斬りかかったがあっさりとかわされ、小忠太はそのまま床に倒れた。


「死ね!!!!」












―…キィン!!!!!!!!!!!!
















「とどめまで刺す必要があんのかよ。」








―…ザシュッ!!!!!!!!!



「小忠太!!!!!!」



間一髪で助けに入った一と総助だったが、小忠太の傷はかなり深く、状況は最悪だった。



「一さん…総助さん…?申し訳…ない…ッス…。」




「小忠太、ちょっときつく縛るよ。我慢してね。」









「う…あああああっ!!!!!!」















「一、止血はしたけどたいしてもたない。早く出よう。」


「ああ。」





そうは言ったものの、表側は新撰組の隊士であふれていた。





「小忠太かかえたまま戦えるか?総助。」



「…二人で突っ込んだのは間違いだったね。でもやるしかないでしょ、出れないし。」



「そうだな…じゃあなるべく俺の後ろに隠れてろ!!」




二人が部屋を出ようとした瞬間、襖が開いて新撰組隊士が現れた。



「いたぞ!!ここだ!!!」





「ちっ!!」



―…ガキィン!!!!!キィン!!


―…ザシュッ!!!!!





「っ……!!」







総助に向かう敵を斬り、



自分に向かってくる敵を斬り、



総助も小忠太をかかえながら片腕で戦った。



だが、血まみれになりながらも敵を斬り続けた二人にも、限界が近づいていた。






「ハア…ハア…」





―…ドサッ…



「これは…まずいかもな…」


「弱気なんて珍しいね…一…。」


「この状況で強気だったらただのバカだろ…。」






―…バンッ…






(また…隊士か…もう…立てねーな…)













―…チャキッ…






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