*サクラ花火*

□過去を知る少女
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「俺の…せいだ…」



「許さない…許さない!!!!」




「父上…!!母上………じいちゃん!!!!!!」









「…まっ…………!!!!」







―…ガバッ!!!!!!









―…チチチチ…






「夢…………」










(何で今更…あんな夢…)









―…ガラッ




『高砂さん!!おはようございます。』




「……(キュン)。桜…おはよ…ぅ」




―…ガバッ

ドスッ!!!!!!





「おはよう、桜さん。」



『あ、総助さん!!おはようございます!!』





桜に抱きつこうとしたものの見事に総助に蹴飛ばされ阻止された一だった。




「……あああイラつく!!!!!!!せっかくやっと家に戻れたのに邪魔が…!!」



「どっちが邪魔なんだよ。藩邸でも見境なかったくせに。」



「消えてしまえマリモ!!」

「そっちが消えろ三味線バカ。」








『2人とも朝ご飯出来ましたよ〜?』


「はーい!!」「おう!!」




3人は藩邸から戻り、

やっと京の家でのいつもの生活に戻っていた。











「やっぱ暑苦しいおっさんと食べる朝飯よりはるかに上手いわ〜」



『ははは…偉い方なんですからそんな…』



「本当だよ。向こうこそよくこんな歩くダイナマイトみたいな男、面倒見てくれたよ。」



「なんだとコラ!!」



「まあ俺は毎日爆弾処理ばっかしてるけど。」



『あははは!!確かに…』



「確かにってどーゆう意味だ桜!!!!」













「あの…。」



「?!!!」









他愛ない会話をしながら朝食を食べる三人の前に、
庭先から突然見知らぬ少女が現れた。





「ざ…座敷童かと思ったわ!!なに人ん家入ってきてんだよ…迷子か?」



「この辺じゃ見ない顔だけど…。」





木の陰に隠れる少女に駆け寄り桜が話しかけた。




『お母さんはどうしたのかな??』




「………高砂一さんは…?」



『高砂さん?高砂さんはあっち……』




少女に尋ねられ桜が一を指差すと、

突然少女が一めがけて走り出した。












「父上と母上の仇ーっ!!!!!!」



「!?」




―…キィン!!!!!!!!





少女が一めがけて突き立てた短刀は一に弾き飛ばされ、

少女もそのはずみで畳の上に倒れた。





「あぶねーなっ!!!何なんだよこのガキは!!!」



「一…女グセ半端なく悪いのは知ってたけどこんな子供にまで手を…」
「出すかバカ――――!!!!!!!冗談言ってる場合か!!」



「許さない!!!高砂一!!!」




少女が起き上がり、また短刀を取ろうと手を伸ばした瞬間






「子供が持つ物ではないな。」





たまたま用事があって現れた楢崎が短刀を拾い上げ、少女の腕を掴んだ。




「離せ!!!離せーっ!!!!!」



じたばたと暴れる少女を楢崎は手刀で気絶させた。




「よ…容赦ないな楢崎さん…。」





「いったい今度は何の騒ぎだ……!!」









「さあ…?」





朝からより一層苦い顔をする楢崎だったが






流石の三人も何が起こったのか分からず戸惑いを隠せなかった。



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