*サクラ花火*

□最期の決断
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ポタ…ポタ…………




「痛ぇー…」





「こ…小忠太…!!!!?」














総助の目の前には数本の刀を刀と体で受け止めた小忠太の姿があった。








―…ガキィン!!!!



「…ハァ…ハァ…やっぱ…一さんみたいにかっこよくは助けられなかったッスね…。」








「小忠太!!!何でお前がここに…」










「うおぁぁぁ!!!」

「!!!」




―…ザシュッ!!!!!





「何をしておる!!!早く立たぬか!!医者坊主!!!!!!」


「津島…さん!!」




小忠太と津島に助けられ

総助は両足を引きずりながら立ち上がり応戦した。




「小忠太…!!大丈夫か?腕…!!」



「俺は大丈夫ッス…!!それより総助さんの方が…!!」



「俺も大丈夫だよ!!それより油断するなよ、小忠太…!!!」






そうは言ったものの、総助の傷は思ったよりも深く

全身の傷も含め、ほぼ気力で戦っている状態だった。




そして、そんな自分がどういう状態にあるのかは、総助自身が一番よく分かっていた。






(あと少しなんだ…!!あと少し…もってくれ!!!!)






だが次の瞬間、


事態は更なる悪化を招いた。






―…ドンドンドンッ!!!!!!!!!!




「つ…津島さん!!!!!!!」


「ぬぐぅ…!!!!!」






敵は津島に狙いを定め、一斉射撃を始めた。





「津島さん!!!!」

「来るな!!!!!!……我が長州藩士の誇り、見せてやろうぞ!!!!!」




そう言うと、身体中に弾を受けた津島は立ち上がり、そのまま敵部隊に突入した。




最期の最後の息絶える瞬間まで敵をなぎ倒し続け


津島の捨て身の攻防は、幕府軍のいくつもの小隊を壊滅させた。






―…ザンッ…!!!!!!!!!!!!






だが津島を失った隊は統率を失い、押していた戦況が一気に劣勢へと変わっていった。





(あと…数小隊…これなら…もう…!!)





総助は全体の状況を把握し、小忠太に耳打ちした。






「みんなに…一時退却を指示してくれ…考えがある。」



「…はい!!分かったッス…!!」





小忠太は返事をすると、大声で退却を叫んで回った。



そして大将を失った津島の兵も、総助の隊と共に一時退却した。




「みなさん…一旦このまま南下して下さい。俺に考えがあります…こちらには絶対戻らないようにお願いします…!!」


総助は兵達にそう告げると、小忠太を呼び止めた。


「小忠太…いいな…今いる全員、無事に帰すんだぞ。後は…まかせていいから。」



「総助さん…?何するつもりなんスか…?」





不安そうに尋ねる小忠太に



いつもの笑顔で"頼んだぞ"と言うと、




総助は馬に乗りその場から走り去っていった。






(総助…さん…?)





総助の後ろ姿を見送りながら

小忠太は不安を隠せなかった。





........................











…―ドサッ




「このへんでいいかな…」



総助は回り道をして幕府軍の裏手に回ると


予め小屋に用意しておいた焚き火の火を地面に着けた。





―…ゴオッ!!!!!





すでに前もって油を撒いておいた地面は、みるみるうちに炎へと包まれ

その炎は幕府軍を取り囲むように燃え広がっていった。




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