サクラ花火短編集(大)

□【其ノ四】悪夢の終焉
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「貴様何をたくらんでる。」





「……人の家に突然上がり込んどいて第一声がそれですか。」










突如春就の元を訪れた楢崎は、春就を睨みながら詰め寄った。







「別に何もたくらんでませんよ。ただ医者として仕事をしてるだけでしょう。」



「旧幕軍の…それも見廻組の連中の治療をか?」




「ったく…どこから聞き付けてくるんだか…。」






楢崎の問いに春就は鬱陶しそうに溜め息をついた。





「お前が治療している元の見廻組の中に…今居為忠(イマイタメタダ)がいることも知っているのだろうな…?」






「…ええ、もちろん知っていますよ。」



「ならば…!!」





楢崎が言葉を詰まらせると、春就は楢崎に背を向けて席を立った。






「旧幕軍の慢性的な医者不足は知っているでしょう?旧幕軍を相手にすれば一生生活には困りませんから。」





「貴様…本心で言っているのか…!!あいつらは…!!!!」

「そんな事を…―」





「そんな事を…言いに来たのだったら帰ってください、薫。」



「…!!!!」







春就が楢崎に冷たい視線を落とすと、楢崎は春就を押しのけて家を出た。







―…バタン!!!!!!!バタバタ…









「何年経っても…薫とは相容れませんね…。」








一人残された春就はそう呟くと、縁側から外を眺めた。



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