サクラ花火短編集(大)

□【其ノ七】金と悪運 後編
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―…ダダダダッ






逃げたリンを追って、彼岸に神太、一達三人は町中を探し回っていた。





「いや〜まさか異人だとはたまげたわ。こりゃ"凛"じゃなくて"リン"だったな!!」



「お前は依頼内容ぐらいちゃんと詳しく聞いとけよ。」



「でももしかして…異人"だから"わざわざ神太に頼んだんじゃないの?神太が英語喋れるって知って…」




総助の言葉に神太は小さく頷き、ため息をつきながら言った。





「おかしいとは思ったんだよなぁ〜…他藩の俺にわざわざんな事頼むなんてよ〜。」



「そうだね…何でその妾にこだわるか分かんなかったけど、異人好きで代わりが滅多にいないからわざわざ探したって事かなぁ?」






腑に落ちない様子の二人に一が尋ねた。






「んなにいいのか?異人の女ってのは?」



「さあなぁー…俺も抱いたことねぇがほら…胸とかでかいんじゃねぇ!?」



「まああれは日本人には無理なサイズだよな。」


「でかけりゃいいってもんじゃないでしょ。」









『………。』












下ネタで盛り上がる一達を軽く軽蔑したような目で見つめる桜に、一が慌てて言った。








「勘違いすんな桜!!俺がやりたいのはお前だけだ!!」



「…なに勝手に主張してんの!?桜さん!!俺もやりたいのは桜さんだけですっっ!!!!」










『誰もそんな事聞いてませんっっっ!!!!!!』







ギャーギャー言い合う三人を見ながら神太は更に溜め息をついた。







「…にしてもあの異人、何で俺達見て逃げたんだよ、初めて会ったっつーのに。」




「"男"ってだけで恐かったんじゃない…?」




「……じゃああのじゃじゃ馬はどうなんだよ!!あいつはざっくり分ければ男だろ!!」










―…バキィッ!!!!!!!!!!!!









「だ・れ・が・男だ。クソつり目!!!!」







『彼岸さん!!』





突如森の中から出てきた彼岸は一を蹴り倒すと桜に言った。







「やっぱり男は馬鹿ばっかりだろう?桜。」


『はい…全くもって。』



「変な思想を吹き込むんじゃねぇ!!この男女!!!!!」





いつも通り一といがみ合う彼岸に総助が尋ねた。





「それより彼岸さん、リンさんは?」





総助の問いに彼岸は顔をしかめながら答えた。





「他の侍達に邪魔された。今やっと片付けたが…あれもお前らの仲間か!!」





「…?俺らは四人で来た、そんな奴等知らねーよ。」



「何だと…?どういう事だ…!!」





彼岸の問いに神太がポツリと呟いた。





「…なるほどなぁ。」




「……神太…説明しろ。」




「……。」




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