サクラ花火短編集(大)
□【其ノ七】金と悪運 後編
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―…ザッ!!!!!!
『!!?』
「悠長に説明してもらってる場合じゃねぇみてーだなー。」
「だね…。」
一達を取り囲むように現れた男達を睨みながら一と総助は刀を抜いた。
「一個だけ教えろ神太…こいつらは敵だな?」
「…敵だな。」
「上等!!!」
―…ガキィィン!!!!!!!!!!
一が声をあげたのを皮切りに、一斉に周囲の男達は一達に斬りかかった。
「神太!!ここはまかせて先に行け!!すぐに追い付く!!」
「…分かった!!」
「彼岸さん、桜さんをお願いします。」
「ああ。」
そう言うと神太と彼岸は桜を連れ、その場を離れた。
........................
―…ハァ…ハァ…
「…ここまで来れば大丈夫だろ。」
町中まで走り抜けてきた三人は、身を潜めるように路地裏に入った。
「お前はなぜリンを追っている。あの男達はなんだ!!」
そう言うと、彼岸は神太を睨んだ。
「あーもー耳元でキンキン言うなよ…俺だって被害者だっつーの…こうなったら意地でも大金ふんだくってやる。」
「はあ?おい!!待て!!」
走り出す神太を追いかけようとした彼岸を桜が引き留めた。
「な…どうした桜!?」
『彼岸さん…あそこ…。』
「え…?」
桜が指差した物置小屋をじっと見ると、微かに動く人影があった。
「…リン?」
「…ひ…がん…。」
「リン…!!良かった…」
「全くだ。」
「!!」
―…ザザッ
リンが小屋から出てきた瞬間、突然別の男達が桜達の前に現れた。
「まったく手間をかけさせおってこの異人…。」
「…桜…リンを連れて逃げろ。先生達と合流するんだ。」
「でも…」
「早く!!!!!!!!!」
『…!!すぐに高砂さん達を連れてきます!!』
桜はそう言うと、リンの手を引きその場から走り去った。
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